蛍光X線分析装置による粉ミルク中の微量重金属のスクリーニング分析
食品の重金属等の試験方法には呈色法があるが、金属(元素)の特定ができないことや、試料成分の影響を受けるため、元素ごとの分析には原子吸光光度計(AA)、誘導結合プラズマ発光分析装置 (ICP)が用いられている。これらの試験や分析においては、試薬による成分の抽出や酸分解などの試料調製に手間がかかったり、呈色法の場合、判定に個人差があるなど、製造工程や品質管理において課題となっている。そこで、試料前処理から測定、判定までを簡便に行えるエネルギー分散型蛍光Ⅹ線分析装置を用いての方法を提案する。本稿では、高感度蛍光X線分析装置ALTRACEを用いた粉ミルク中の有害重金属の分析例を紹介する。