平行部付き砂時計型金属試験片の超音波疲労試験

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ユーザーベネフィット

- 超音波疲労試験機は20 kHzの繰り返し速度での試験を行うことができ、109回(10億サイクル)の試験をわずか約14時間で完了することができます。 - 中華人民共和国国家規格GB/T 43896 「金属材料の超高サイクル疲労における超音波疲労試験方法」に規定されている平行部付き砂時計型試験片に準拠した試験が可能です。 - 1000 MPa級の鋼材の試験が可能であり、共振を利用しているため、消費電力が少なく済みます。

はじめに

疲労とは、弾性領域内の負荷であっても繰り返しの負荷によって生じる破壊現象であり、構造物の破壊現象の約70 %が金属疲労によるものと言われています。構造用鋼の多くは、応力がある値以下であれば繰り返し負荷をかけても疲労破壊が発生しない疲労限度が存在し、その繰り返し数は106~107サイクル程度とされています。しかしながら、クロムモリブデン鋼などの高強度鋼においては、107サイクルを超える108~109の超高サイクル領域で、材料内部の介在物が起点となり疲労破壊が生じることが知られています。そのため、一般的な疲労試験で採用されている107回を最大の繰り返し回数とした基準では不十分であり、109回を超える疲労試験が必要とされています。一方で、109回を超える疲労試験は、10 Hzの負荷で3年以上の長い時間を要します。今回使用する超音波疲労試験機は20 kHzでの試験が可能であり、109回の試験を約14時間で完了することが可能なため、超高サイクル疲労の測定に最適です。 前報では、標準砂時計型試験片で試験を行いました。2024年11月に中華人民共和国国家規格GB/T 43896(金属材料の超高サイクル疲労における超音波疲労試験方法)が発行され、当社の超音波疲労試験機USF-2000A専用ソフトウェア「Super Sonic」に新たに平行部付き砂時計型試験片の寸法計算機能を追加しました。本稿では、構造用鋼の一種であるSNCM439材を用いて、GB/T 43896に準拠した平行部付き砂時計型試験片の測定事例を紹介します。

2025.06.18

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