
Nexera™シリーズ
- 脂質ナノ粒子成分の最適分離条件探索の一連のワークフローをLabSolutions MDにより効率化できます。 - 移動相およびカラム切換バルブを活用することで、複数種の移動相とカラムのスクリーニングを自動化できます。 - UV吸収を持たない脂質ナノ粒子成分に対して、蒸発光散乱検出器を用いることで、各成分の検出および定量が可能です。
近年、メッセンジャーRNA(mRNA)を利用した医療技術は急速に発展し、感染症ワクチンに加えて、がんワクチンや遺伝性疾患の治療分野で注目を集めています。mRNAは細胞膜透過性が乏しいことから、細胞内に効率的に送達させるためには適切なデリバリー技術が不可欠です。現在は、 mRNAのドラッグデリバリーシステム(DDS)として主に脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticles:LNPs)が用いられています。LNPは一般的に4種の脂質成分(コレステロール、イオン性脂質、PEG修飾脂質、中性リン脂質)から構成されており、各脂質成分の適切な分離および定量がLNP製剤(LNP-mRNA)の有効性と安全性を確保するために重要です。LC分離において、移動相およびカラムの選択は、分析種の保持挙動に大きな影響を与えるため、最適な分離を得るためには、複数種類の移動相とカラムに亘って検討することが理想的ですが、多くの時間を要することが課題です。本稿では、分析法開発支援ソフトウェアであるLabSolutions MDを活用し、LNPを構成する4種の脂質成分に対して、「スクリーニング」および「最適化」の各フェーズにて、最適分離条件探索を効率化した事例について報告します。また、最適化された条件を実試料の分析に適用した結果も紹介します。なお、これら脂質成分はUV吸収が無いため、検出には蒸発光散乱検出器を用いました。
2025.06.04
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