●レーザー回折・散乱法(Laser Diffraction Method)の測定原理
バイオ医薬品凝集性評価システム Aggregates Sizer
バイオ医薬品凝集性評価システム Aggregates Sizer
バイオ医薬品における100 nm~10 μmの凝集体濃度測定
バイオ医薬品凝集性評価システムでは,0.1 µm~10 µmの領域において粒子濃度(単位:µg/mLまたは個/mL)※1を定量的に評価することが可能です。
バイオ医薬品の凝集体にはNanometer(<100 nm),Submicrometer(100 nm‒1 µm),Subvisible(1‒100 µm),Visible(>100 µm)と凝集粒子の大きさによって分類※2されております。
このうちSubmicrometerからSubvisibleの一部(100 nm~10 µm)の領域の粒子測定は,これまで複数の手法を併用して解析されているのが一般的です。
※1 本システムでは,粒子径分布の測定原理として「レーザー回折・散乱法」を採用しています。PSL(ポリスチレンラテックス)標準粒子を用いた校正を行い,濃度(単位:µg/mLまたは個/mL)を求めています。
※2 USP<1787>の分類による
1 | 広い粒子径範囲の凝集体濃度を定量評価 |
100 nm~10 µmの凝集体濃度(単位:µg/mLまたは個/mL)として定量的な評価が可能です。 SubmicrometerからSubvisible領域にわたる広い粒子径領域を1台の装置で評価できます。 |
2 | 少ないサンプル量で凝集体を測定 |
サンプル量0.125 mLのマイクロセルを使用することで,少量のサンプルで正確に測定できます。 |
3 | リアルタイム測定機能で凝集過程を定量評価 |
凝集体の変化(粒子径および濃度)をリアルタイムに測定・記録できます(最短30秒間隔)。さらに回分セル(サンプル量:5 mL)を用いて,かくはんストレスをかけながら凝集過程を測定することができます。また異なる素材のかくはん棒が付属しており,接液材料の違いによる凝集のしやすさを評価することができます。 |
4 | 温調機能(Aggregates Sizer TC 温調機能付きの場合) |
温度に依存しやすい凝集変化を,一定温度に保って測定できます。(20℃~42℃) |
5 | FDA 21 CFR Part11対応ソフトウェア(オプション) |
特長
-
●なぜレーザ回折・散乱法で濃度としての粒子径分布が測定できるのか?
●レーザー回折・散乱法(Laser Diffraction Method)の測定原理 -
バイオ医薬品凝集性評価システム専用ソフトウェアWingSALD bioを使用することで粒子濃度(µg/mL または 個/mL)を定量的に評価することができます。
-
ポリスチレンラテックスをさまざまなサンプル濃度(0.1ppm, 0.5ppm, 1ppm, 2,5ppm, 5ppm, 10ppm)で測定した結果です。
-
レーザ回折・散乱法で高い再現性を実現するために,試料から発せられる回折・散乱光を正確に捉える安定した光学系を構築しました。
-
粗い粒子からの散乱光は光軸近傍の低角度に集中し微小角度内で激しく変動しますが,微小粒子からの散乱光は中心から高角度まで緩慢に変動します。
-
バイオ医薬品凝集性評価システムAggregates Sizerに温調セルユニットが追加されました。
これにより,通常の測定より,時間がかかる回分セルのかくはん機能を用いた機械的ストレス試験でも温度による凝集体生成の影響なく測定することができます。また,マイクロセルについては,従来の400 μLから125 μLに変更し,サンプルの微量化も実現しました。