ガス分析システム

ガス分析は、資源・エネルギー分野や環境分野など、幅広いフィールドで行われています。分析対象となる代表的な成分としては、H2やCO、CO2といった無機ガス、および CH4をはじめとした低級炭化水素ガスが挙げられます。
オートガスインジェクタ GI-30を使用すると、ガスサンプルの導入を自動化し、再現性よく連続分析することが可能になります。
ガス分析に使用する主な検出器
1. TCD
TCD(熱電導度検出器)は、キャリアガスと溶出成分の熱伝導度の差によるフィラメントの温度変化を読み取る検出器です。最も一般的なGC汎用検出器であるFIDが感度を持たない、H2やCO、CO2などの無機ガスにも感度を持つことから、ガス分析をはじめとして幅広く使用されています。%オーダーの高濃度サンプルにも対応可能である点を特長とします。
2. BID
BID(バリア放電イオン化検出器)は、Heプラズマから放出されたエネルギーで溶出成分をイオン化し、コレクタで捕集することで検出する、島津独自の検出器です。他の汎用検出器より感度が高いことに加えて、独自のバリア放電技術により、他の汎用検出器と変わらない安定性も有しています。ガス分析においては、H2と他のガス成分を一斉分析できる点もBIDの特長です。
3. MS
MS(質量分析計)は、溶出成分をイオン源でイオン化、質量分離部で分離し、高感度に検出する検出器です。GC-MSを使用したガス分析では、マススペクトルのライブラリ検索を行うことで、標準物質を使用することなく、未知成分を定性することが可能です。またGC-MSでは、マスクロマトグラムを使用して定量するため、ピークが重なった場合でも定量が可能です。BIDと同様に、H2と他のガス成分を一斉分析することもできます。
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TCD、BIDおよびMSに適する濃度範囲の目安
(化合物、分析条件、GC・GCMS本体機種により異なる) -
GC-MSとGI-30を組み合わせて連続分析した
CH4のマスクロマトグラム重ね書き(N=10)
検出器としてTCD、BIDを使用したガス分析の例
検出器としてMSを使用したガス分析の例
ガス分析に使用する主なカラム
ガス分析にはPLOT(Porous Layer Open Tubular)カラムが一般的に使用されます。 PLOTカラムは充填剤をカラムの内壁にコーティングしたものです。
代表的なPLOTカラムの種類は、「カーボン系」、「モレキュラーシーブ系」、「ポーラスポリマー系」、「アルミナ系」等です。
ガス分析システムとして推奨している主なPLOTカラムは以下の3つです。
1. Micropacked ST(カーボン系)
低級炭化水素、無機ガスを分離できます。特に、COとCO2をCRG(カラムオーブン低温制御装置)を使用せずに分離できます。
Micropacked ST カラムの分離例

2. SH-Msieve 5A(モレキュラーシーブ系)
無機ガスの高分離分析が可能です。特に、O2とN2の分離に優れるのが特長です。なお、CO2は吸着するため溶出しません。
SH-Msieve 5Aカラムの分離例

3. SH-Q-BOND(ポーラスポリマー系)
低級炭化水素ガスを含む、C12までのアルカンの分析に最適です。また、O2、N2、COから、CO2とCH4を分離できます。
SH-Q-BONDカラムの分離例

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