DSC、TG-DTA測定 Q&A|基準物質
Q. 基準物質とは何ですか?
A.
測定を行う温度範囲で熱的な変化を起こさない物質のことで、試料と同時に加熱を行います。
適切な基準物質および量の選択により、より安定なベースラインを得ることができます。
Q. 基準物質は必要でしょうか?
A.
試料と基準物質の熱容量差が大きいと測定開始時のベースライン変動が大きくなり、 ベースラインが安定するのに時間がかかります。 基準物質を使用したほうが早くベースラインが安定するというメリットがありますので、使用されることをおすすめします。
Q. 基準物質の量はどの程度必要ですか?
A.
試料と基準物質の熱容量が同程度になるように調整します。ただし、ベースラインの変動が起こる温度で試料が変化しなければ問題ありません。もしこの温度域で変化やピークが生じる場合でも、ベースラインの変動が生じるのは測定の開始時ですので、スタートをもう少し低い温度にすれば大丈夫です。量はそれほど厳密に調整する必要はなく、下記の目安を参考にしてください。
一般的に使用する基準物質
・α-アルミナ
熱的に不活性なものを用います。
α-アルミナを用いる場合の目安
有機物、高分子 | 試料量の2倍程度 |
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無機物 | 試料量と同量程度 |