DSC、TG-DTA測定 Q&A|試料容器(セル)
Q. 試料容器(セル)はどのタイプを使用すればよいでしょうか?
A.
試料の性質や目的に応じて、試料容器の材質や形状を選択します。
1)試料が蒸発するかどうかで非密封タイプか密封タイプかを選択します。
2)非密封タイプであれば使用温度の範囲、密封タイプであれば必要な耐圧で、通常のシールセルか耐圧セルかを選択します。
※一般的にTG-DTAでは密閉タイプは使用しません。
Q. シールセル(密封セル)はどのような場合に使用するのでしょうか?
A.
1. 液体試料測定時に溶媒の蒸発を抑えたい場合、シールセル(密封タイプ)を使用します。
オープンセル(非密封タイプ)では水の蒸発による吸熱ピークが出てしまい、本来見たいピークが隠れたり、ベースラインが乱れる原因になります。
ここでは水を例にしていますが、他の有機溶媒などでも同様です。
ただし、シールセルの場合は密封していますので容器内の内圧が上がります。もし試料が圧力に依存した変化を起こす場合には注意が必要です。
2. 固体試料測定時に試料の昇華を抑えたい場合にもシールセル(密封セル)を使用します。
本来みたいピークの前に昇華によって試料が無くなってしまう可能性があります。そのような場合には、シールセルで密封して測定することで試料の昇華を防げます。