Micro Volume QuEChERS Kit for LC/MS (Forensic)
Micro Volume QuEChERS Kit for LC/MS (Forensic)
Question:生体試料中の薬毒物をスクリーニングしたいのですが,簡便かつ迅速に前処理できるキットはありませんか。
Answer:“Micro Volume QuEChERS KitTM” をご利用ください。
本製品は,法医学分野向けのヒト生体試料用前処理キットです。QuECHERS抽出塩による塩析により,血液や尿中の薬毒物を抽出する手法※を採用しています。サンプル量を従来の500 uLから100 uLにスケールダウンしており,サンプル量を十分に確保できない生体試料でも前処理が可能です。本キットで前処理したサンプルはLC/MS/MSを用いることで高感度に測定することができます。
※ 本技術は特許出願済みです。
特長
1. "Ready to Use"の前処理キット
Micro Volume QuEChERS kitには,あらかじめ2.0 mLチューブにQuEChERS抽出塩(100 mg)が含まれています。したがって,面倒なQuEChERS抽出塩の秤量が不要であるため,急な分析が必要になった場合でも,迅速に前処理していただくことができます。また,手作業によるQuEChERS抽出塩量のばらつきを避けることができるため,再現性の高いデータを得られます。
2. 簡便なワークフロー
試料を添加し,混ぜて,遠心分離するだけ!
初めて前処理をおこなう方にも実施いただける簡便なワークフローを実現しました。
3. 貴重なサンプルを無駄なく使用
従来法の約 1/5のサンプル量という,微量での前処理が可能となることで,貴重なサンプルを無駄なく使用いただけます。
4. スループットの改善
QuEChERS抽出塩の秤量が不要・乾燥濃縮の時間短縮により,スループットを大幅に改善しました!
(高感度装置を用いれば,乾燥濃縮以降のステップもスキップできます)
5. 幅広い生体サンプルへの適用※※
血液,尿,小動物の臓器サンプルなど幅広い生体試料に対して前処理をおこなうことが可能です。
※※ 本キットは研究用です。臨床診断用途で使用することはできません。
製品の使用例:薬毒物の添加回収試験
Micro Volume QuEChERS kitを用いて,ヒト全血に対する主要な薬毒物の添加回収試験を実施しました。
本実験では全成分の回収率※※※が71 – 86%の範囲に収まり,良好な結果が得られました。
Micro Volume QuEChERS kitを用いることで夾雑成分を簡単に除去することができ,幅広い化合物をロスすることなく効率よく回収することが可能です。
※※※ 回収率は下記の計算式を用いて算出しました。
[回収率] = [前添加した化合物の面積値] / [後添加した化合物の面積値] X 100
データは名古屋大学大学院医学系研究科 法医・生命倫理学 財津 桂 准教授,松本 謙吾様からご提供いただきました。
1. | ベンゾジアゼピン系睡眠薬 |
2. | バルビツール酸系睡眠剤 |
3. | 精神安定剤 |
4. | 解熱鎮痛薬 |
5. | 三・四環系 |
6. | 抗てんかん薬 |
7. | 抗うつ薬 |
8. | 麻薬/覚せい剤 |
9. | 自然毒 |
10. | 抗アレルギー薬 |
11. | 指定薬物/その他 |
■ 製品仕様
項目 | 仕様 |
---|---|
対象サンプル | 全血、尿などの生体試料 |
使用回数 | 1回/本 |
サンプル量 | 100 μL |
数量 | 100 本入り |
■ 製品構成(1本あたり)
項目 | 容量 | 備考 |
---|---|---|
QuEChERS抽出塩 | 100 mg | AOAC 2007.01に準拠 硫酸マグネシウム:80 mg 酢酸ナトリウム:20 mg |
⇒ 製品SDS(Safety Data Sheet: PDF形式)はこちら
分析条件は「LC/MS/MS 薬毒物迅速スクリーニングシステム」,「LC/MS/MS 薬毒物データベース」をご参照ください。
前処理プロトコール詳細
Micro Volume QuEChERS KitTMは,生体試料中の薬毒物を抽出する前処理用の試薬キットです。
QuEChERS抽出塩の組成はAOAC2007.01に準拠しています。
また,取扱説明書には「LC/MS/MS 薬毒物迅速スクリーニングシステム」のプロトコルに沿った前処理方法の例を示しました。以下に,前処理フローを示しますが,詳細は取扱説明書の「4. 前処理方法(例)」を参照してください。
取扱説明書はこちらからダウンロードできます。
カテゴリ | タイトル | 難易度 |
HPLC 1. | HPLCで用いる基本用語のはなし | 易 |
HPLC 2. | 続・HPLCで用いる基本用語のはなし | やや難 |
HPLC 3. | 糖類の検出法~分離法 | やや難 |
HPLC 4. | アミノ酸の分析法 | やや難 |
HPLC 5. | 理論段数の計算式 | やや難 |
HPLC 6. | 移動相の作り方 -溶媒混合比の話- | 易 |
HPLC 7. | 試料調製時の定量誤差要因 | 易 |
HPLC 8. | 試料溶媒がピーク形状に与える影響 | やや難 |
HPLC 9. | TFA (トリフルオロ酢酸)入り 水/アセトニトリル グラジエントのベースライン | やや難 |
HPLC 10. | in the LAB 超高速LCのためのデータ処理パラメータの基本設定 | 易 |
LC/MS 1. | LC-MSのはなし その3「APIでのマススペクトル」 | 易 |
LC/MS 2. | LC-MSの分析条件について その1「第一選択移動相の基礎」 | 易 |
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