動物用医薬品の分析ソリューション(LC-MS)
畜水産物の生産性向上のため,飼料添加物や動物への直接投与薬品として合成抗菌剤などの動物用医薬品が広く使用されており,それらの人体への影響が懸念されています。動物用医薬品は農薬同様ポジティブリスト制度のもと,多数の化合物に残留基準が設定されており,その分析には主にHPLCおよびLC-MSが用いられています。
LC-MSによる動物用医薬品の一斉分析例
残留基準が設定されている動物用医薬品は多岐に渡り,また今後も数が増えていくと予想されることから,残留農薬分析同様,多成分の高感度一斉分析法が必要とされています。ここでは,動物用医薬品の高感度一斉分析例を示します。
一成分に対し多数のMRMトランジションを用いた分析メソッド(MRMスペクトルモード)による動物用医薬品の一斉分析例を示します。一般的な定量メソッド(MRM数:2個/化合物)と比較して,検出限界・直線性・再現性の劣化は認められず,より信頼性の高いデータが得られます。
LC/MS/MSメソッドパッケージ アミノグリコシド系抗生物質を用いたアミノグリコシド系抗生物質の高感度分析例
アミノグリコシド系化合物は極性が非常に高く,通常の逆相クロマトグラフィーによる分離ではイオンペア試薬が使われます。本メソッドパッケージに収載の親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を用いたLC-MS/MS による,全規制対象アミノグリコシド系抗生物質の一斉定量分析例を紹介します。
HPLCを用いた動物用医薬品の分析例
動物用医薬品の分析にはLC-MS同様HPLCも広く用いられています。ここでは,HPLC(合成抗菌剤スクリーニングシステム)を用いたキノロン剤の多成分スクリーニング分析例を示します。