オンカラム誘導体化2-Step AOC付き GCMSシステム
GCMS-QP2020/QP2010シリーズ用
メタンフェタミンやMDMAなどの乱用が社会問題となっています。これらのアミン系覚醒剤の確認を尿試料を用いて行う場合,通常は無水トリフルオロアセチルによる誘導体化後,GCMSで分析されます。しかしながら,無水トリフルオロアセチル誘導体化法は,手間と時間がかかり作業効率がよくありませんでした。
新しく開発したACO-20i,s 2-stepオートインジェクタとGCMS-QP2020/QP2010シリーズのシステムでは,アミン系覚醒剤の誘導体化が自動化できます。この手法を用いることにより多数の試料検体を非常に短時間に測定することが可能となります。
オンカラム誘導体化 2-Step AOCによるオンカラム誘導体化の方法
オンカラム誘導体化の試料導入は,以下の手順により自動的に行われます。
- MBTFA (N-Methylbis-trifluoroacetamide) 誘導体化剤と分析対象の試料を順にシリンジ内に吸引します
- 試料を試料気化室に注入します。試料は試料気化室内で気化されてキャピラリカラムに導入されます
- 分析対象成分がキャピラリカラムに導入される間,数秒待機します。その後MBTFA 誘導体化剤を注入します
- 分析対象成分はキャピラリカラム内で誘導体化され,GCMS による分析が行われます
オンカラム誘導体化法 GCMS による尿試料の分析例
尿試料を下図に示す方法で処理して試験試料を得ました。尿試料#1 からは,メタンフェタミン(MA)とその代謝物アンフェタミン(AP)のTFA誘導体化物が検出されました。尿試料#2では,MDMAとその代謝物であるMDA,HMMAのTFA 誘導体化物が検出されるのと同時に,微量のメタンフェタミンとアンフェタミンのTFA 誘導体化物も検出されました。本手法を用いることにより,誘導体化の処理が簡便化され分析の効率を向上させることができ,しかもアンフェタミンやメタンフェタミンとその類似成分を非常に高感度に検出することが可能となります。
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