ゴーストトラップDS / ゴーストトラップDS-HP(for UHPLC)
島津HPLC用移動相クリーナー
 
           有機溶媒中の不純物も除去可能なゴーストトラップDS*に,新たに高耐圧仕様がラインアップに加わりました。
 第一三共株式会社様と共同で開発したゴーストトラップDSは,移動相中の不純物を効果的に吸着させることにより,メソッド開発や不純物分析の解析作業の時間短縮が可能になります。
また,100 MPa耐圧を有するゴーストトラップDS-HPにより,UHPLCシステムにもご使用頂くことが可能となりましたので,メソッド開発をUHPLCで行い,汎用分析へ移行すると言った場合においても,ゴーストトラップDSを有効に活用することができます。
* DSのDはDaiichi Sankyo,SはShimadzuの略称です
有機溶媒中のゴーストピークも確実に除去

 ゴーストトラップDS / DS-HP は,有機溶媒中のゴーストピークであっても除去できることが特長です。そのため,逆相グラジエント分析時に,グラジエントミキサとオートサンプラの間にゴーストトラップDS / DS-HP を取り付けることにより,移動相由来のゴーストピークだけではなく,配管やグラジエントミキサ由来のゴーストピークもまとめて除去することが可能です。
 以下の例では右図のように,グラジエントミキサの後ろにゴーストトラップDS / DS-HP を取り付けます。下段のクロマトグラムは,ゴーストトラップDS により移動相由来のゴーストピークが効果的に除去されていることを示しています。
以下のデータは,グラジエントミキサの後ろにゴーストトラップDS を取り付けることによって,移動相由来の不純物が効果的にトラップされていることを示しています。

| 分析カラム | : | ODS 系カラム | 
| 移 動 相 | : | A; 25 mmol/L りん酸(カリウム)緩衝溶液 pH 4.0 / アセトニトリル = 9 / 1 | 
| : | B; 水 / アセトニトリル = 1 / 9 | |
| 流 速 | : | 0.65 mL/min | 
| オーブン | : | 45 ℃ | 
| 検 出 器 | : | UV 210 nm | 
「ゴーストトラップDS」によるゴーストピークの除去例(データ提供:第一三共株式会社様)
500回分析(250時間相当)※1でも性能の劣化無し
以下に,500回グラジエントを繰り返した時のベースラインを示しています。 ゴーストトラップDSなしの場合と比較しても明らかにゴーストピークを除去していることがわかります。 さらに1回目と500回目で比べても,ゴーストピークは確認されません。 このように,ゴーストトラップDSは一度トラップした不純物は吸着し続け,さらに保持容量も長時間分析に耐えられる性能を有しています。

| ゴーストトラップDS | : | 20mm×4.0mmID グラジエントミキサ直後に接続 | 
| カラム | : | ODS 系カラム | 
| グラジエント (B.conc) | : | 10%(0min)→ 90%(20min) | 
| 流 速 | : | 0.4mL/min | 
| オーブン | : | 45 ℃ | 
| 検 出 器 | : | UV 210 nm | 
Nexeraシステムと組み合わせた,不純物定量試験への適用例
 不純物の定量分析にもゴーストトラップDS / DS-HP は有効です。微小なピークはゴーストピークに被ってしまうと定量が困難になってしまい
ますが,ゴーストトラップDS / DS-HP によりそれらゴーストピークを効果的に除去することが可能なので,目的成分が微小ピークであっても
精度の高い定量が可能です。
 
ゴーストトラップDS / DS-HP を用いない場合は,ゴーストピークの影響により不純物ピークの定量が困難ですが,ゴーストトラップDS / DS-HP を用いてゴーストピークが除去されることにより,目的不純物の定量が可能になりました。
■ 分析条件
| 移動相A | : | 5 mmol/Lりん酸(ナトリウム)緩衝溶液 (pH2.6) | 
| 移動相B | : | 5 mmol/Lりん酸(ナトリウム)緩衝溶液 (pH2.6) / アセトニトリル = 1 / 3 | 
| グラジエント | : | 0.1 %(0 min)→ 20 %(10 min)→ 60 %(15 min) → 95 %(20 min) | 
| 流 速 | : | 0.5 mL/min | 
| 検出器 | : | UV245 nm | 
| 注入量 | : | 2 μL | 
| カラム | : | Shim-pack XR-ODSⅢ 2.0 mmID × 75 mm, 1.6 μm | 

ゴーストトラップDSラインナップ
コストパフォーマンスに優れるカートリッジタイプと,UHPLCシステムでも使用可能な耐圧100 MPaのパックドタイプの2種類を用意しました。 目的に応じて使い分けて頂けます。
| 品名 | P/N | 内容(数量) | サイズ | 内部容量※2 | 耐圧 | 
|---|---|---|---|---|---|
| ゴーストトラップDS | 228-59921-91 | カートリッジ(2個) | 7.6 mmID×30 mm | 約700 μL | 35MPa | 
| 228-59921-92 | カートリッジ(2個) ホルダ(1個) | ||||
| 228-59921-93 | カートリッジ(2個) | 4.0 mmID×20 mm | 約150μL | ||
| 228-59921-94 | カートリッジ(2個) ホルダ(1個) | ||||
| ゴーストトラップDS-HP | 228-59931-91 | パックドタイプ(1本) | 2.1 mmID×30 mm | 約60 μL | 100 MPa | 
※1 移動相など分析条件によりこれよりも早く劣化する場合があります。
※2 グラジエントミキサ,またはポンプ合流後に本製品を取り付けた場合,グラジエント分析時には内部容量分だけ遅れ容量が発生しますので
  ご注意ください。
※ 移動相など分析条件により寿命は異なります。
※ 質量分析計を検出器とした場合,本製品由来のブリードノイズが生じる場合がありますので,ご使用にならないでください。
※ イオンペア試薬を用いた分析では,イオンペア試薬が本製品に保持され,保持時間やピーク形状に影響を与える場合があります。
※ ご使用時には,分析カラムを接続する前に必ず移動相( グラジエント分析時の最終濃度付近) でよく洗浄してください。
※ 全ての不純物を除去できるわけではありませんので,予めご了承ください。
※ UHPLC システムなど,35 MPa を超えるような高圧分析時にはグラジエントミキサとゴーストトラップDS-HP の接続にはUHPLC 用の配管
  (例: S228-53137-97)をご使用ください。
参考資料
Technical Report No.45 逆相分析におけるゴーストピークの原因と対策
(Webフォーム経由でダウンロードください。)
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