LCMS-2050 - 特長

高速液体クロマトグラフ質量分析計

MSを導入することによる設置・教育コストを削減

●LCシステムに組み込めるサイズ

 

装置の幅はNexeraシリーズと同じに設計されており、LCユニットと積み重ねることも可能で、既設LCに増設する場合でも新たな増設スペースは不要です。Nexeraシリーズやi-Seriesといった既存HPLCシステムだけでなく、分取システムNexera Prepにもシームレスに接続可能です。

●LC検出器と同じように簡単設定
LCと同じLabSolutionsシリーズで制御するため、LC条件の設定はLabSolutions LC/GCと同じです。MSの基本的なパラメータ設定項目は①質量範囲/質量数、②測定時間、③サンプリングレートの3つのみで、LCの吸光度検出器(PDA検出器)と同じ感覚で設定することができます。
特定の質量数を指定して測定する場合は、化合物の化学式とアダクトイオンを指定するだけで質量数を自動で計算して入力します。

LCMS-2050

PDA検出器

関連資料「小型MSをLC検出器として用いる分析法の基礎」

 
 
Mass-itAIマーク

●Mass-it:自動でUVクロマトグラムに質量情報を追加

マスクロマトグラム中のピークの質量情報を自動で抽出し、UVクロマトグラムに重ね書きします。これにより、UVクロマトグラムと質量情報を同一データ上で確認することができます。UV吸収がない成分をMSで検出し、UVクロマトグラム上に表示することで、化合物の見落としを防ぐことができます。また、共溶出する成分を質量数の違いで分離してUVクロマト上にそれぞれの質量数を表示することで、共溶出成分の見落としを防ぐこともできます。このように、UVクロマトグラムに質量情報が追加されることで、データの信頼性が高まります。

 

自動でUVクロマトグラムに質量情報を追加(Mass-it)

関連資料「Mass-it機能によるLCクロマトグラムの定性能向上」

質量分析計としての高い汎用性

●幅広い特性の化合物を測定可能
エレクトロスプレーイオン化(ESI, electrospray ionization)、大気圧化学イオン化(APCI, atmosphere pressure chemical ionization)の特長を兼ね備えた加熱型Dual Ion Source(DUIS)により、低極性~高極性の化合物を1つのイオン源で測定可能です。ユーザーはイオン化法を意識することなく測定することができます。この加熱型DUISでは、ESI用ノズルとAPCI用コロナニードルを両立することで、両方のイオン化法を実現しています。高極性のシメトリンはもちろん、ESIでは測定することが難しい低極性のキントゼンともにDUISでは高感度に測定することができます。

関連ページ「LC-MSのはなし ~APIでのマススペクトル~」

●高分子分析にも最適
質量範囲はm/z 2~2000と幅広く低~中分子まで測定可能。さらに、多価イオン解析オプションソフトウェアを用いれば、多価イオン化した高分子の測定結果から、高分子の分子量推定も可能です。一般的に、高分子の多価イオンを用いた分子量推定では、検出される価数イオンが多いほうが、より信頼性の高い分子量を算出することができます。核酸医薬ヌシネルセンは分子量7127の化合物です。m/z 2~2000の質量範囲内に4価~8価の5種のイオンが測定できています。多価イオン解析オプションソフトウェアを用いた計算により、誤差0.05 uの精度で分子量を推定することができました。

 

関連ページ「多価イオン解析オプション」

●UHPLCに適した高速MS
UHPLCによる高速分析に合わせて、MSのデータサンプリングの高速化が必要です。LCMS-2050は、島津の質量分析計の特長である高速性能を引き継ぎ、スキャンスピード15,000u/sec、正負イオン化切替時間10msecと世界最高速度の高速性能を実現しました。短いサンプリングレートでデータを採取することにより、UHPLCのシャープなピークも正確に描画可能です。スキャンスピードが遅い場合(7,500, 10,000 u/sec)、データポイントが足らず、ピークが埋もれたり(ピーク2)、分離不十分になったりします(ピーク3と4、ピーク5と6)。スキャンスピードが速い場合(15,000 u/sec)、十分なデータポイントを確保できてピークはシャープとなり分離が良くなります。

限られた資源を最大限に活用

●省スペース
LCMS-2050の幅はわずか260mm。場所を取らずに既存のラボに容易に設置することができます。

省スペース

 
conciergeAIマーク

 

●装置状態の自動チェック(パフォーマンス・コンシェルジュ)
自動で標準試料を注入し、MSの装置性能であるm/zずれ、分解能、強度などを確認します。結果をレポートで出力し装置状態のトレーサビリティを確保します。また、結果に応じて自動でキャリブレーションを行うことも可能で、装置状態を維持するためにユーザーの手を介する必要がなく、常に安定したデータの取得・ラボ運用が可能です。

●エコに配慮
LCMS-2050は単相100Vで駆動可能です。さらに、システムの使用状況を確認して、一定時間使用していない場合は自動で装置のシャットダウンを実行する、エコロジーモード機能を搭載。従来品と比較して省エネ43%を達成しています。島津独自の環境配慮認定製品「エコプロダクツPlus」にも認定されており、分析時のランニングコストを抑制するだけでなく、CO2排出量を抑制して脱炭素社会の実現に貢献します。

 

●システムのダウンタイム削減
LCMS-2050は汚れに強く、比較的詰まりやすいサンプルを真空部へ導入する脱溶媒菅(DL,Desolvation Line)も口径が広く詰まりにくい設計になっています。また、メンテナンスが必要になった際でも、島津MSの「かんたんメンテナンス」を継承して、インターフェイス周辺のメンテナンスが容易にできるようになっています。例えば、ESIキャピラリやDLは工具なしで交換可能で、真空停止の必要がなく、装置のダウンタイム、メンテナンス労力・時間の削減に貢献します。

①ヒータフランジを取り外す
②ヒータフランジの裏側から、DL ASSYを取り外す
③新しいDL ASSYをヒータフランジに取り付ける

関連資料「小型MSをLC検出器として用いる分析法の基礎」

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