EDX-8100 - アプリケーション
エネルギー分散型蛍光X線分析装置 EDX-8100
豊富なアプリケーション
粉末(微・粗粒子) -セメントの定性および定量-
粉末試料の分析は蛍光X線の代表的なアプリケーションです。試料を加圧成形または試料容器にそのまま入れて分析をおこないます。標準的な分析方法である、Na~U定性定量分析によるセメント標準物質の例です。標準試料無しでも正確な定量が可能です。真空雰囲気測定により、軽元素も感度よく測定できます。

宝石の鑑別 -天然石/合成石の判別-
宝石を鑑別するためには、実体顕微鏡などの一般宝石鑑別機器だけでなく、様々な分析装置が用いられています。エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)も組成分析を迅速かつ非破壊で行える必要不可欠な装置です。一般的によく見かけ、多くの人達に大変好まれているエメラルドの組成分析を行い、天然石/合成石の判別,天然石の産地判別に有効な結果が得られました。

ザンビア産はコロンビア産と比べ、クロム、鉄の含有量が高く、バナジウムは低いことがわかります。またザンビア産には、ナトリウム、マグネシウム、カリウムなどが比較的多く含まれ、微量のルビジウム、セシウムも検出されることでコロンビア産と識別できる指標の一つとなります。
異物・材質判定 -樹脂成型品に付着した異物-
EDXは非破壊で元素分析が可能なことから、食品、医薬品、製品に付着または混入した異物の解析に有効です。試料観察カメラとコリメータを使用することにより、微小異物の特定も容易です。
照射径1mmのコリメータは、周辺材質の影響の低減に有効です。その結果、正確な定量マッチングにより、例ではSUS316と材質特定できています。

食品・生体・植物 -海藻のミネラル成分・少量試料-
EDXは、食品や生体試料に含まれる元素の分析にも用いられます。食品に添加した元素の工程管理や作物の生育不良の評価や産地判別にも有効です。
新機能のバックグラウンドFP法により、サンプルが少量であっても、十分な量の場合と同等の定量結果が得られます。研究等で少量しか採取できない場合や、オペレータによる前処理での分析誤差の低減などに有効です。

めっき・薄膜 -無電解ニッケル-りんめっきの膜厚・組成測定-
薄膜FP法により、多層膜の膜厚測定や,膜厚・組成の同時定量が可能です。
めっき膜厚1.8μmと、その主成分Ni、Pおよび検出された微量のPbの組成定量の例です。

試料調整法
固体試料


金属試料の前処理
金属試料で定量精度を向上させたい場合や、試料表面の汚染や酸化の影響を取り除きたい場合は、旋盤や回転研磨機を用いて分析面を切削、研磨します。
液体試料

粉末試料


試料の粉砕
粒度の粗いものや鉱物効果(不均一効果)の影響のある試料は、粉砕をおこないます。

ガラスビード法
岩石など酸化物粉末で正確度の高い分析をおこなうには、試料をLi2B4O7などの融剤と共にガラス化するガラスビード法が有効です。