プラスチック(PE)材料中のClの分析
<EDX-7000によるプラスチック、有機物中Clの分析>
蛍光X線分析は非破壊で固体、紛体、液体などの試料を迅速かつ簡単に分析できることから、RoHS/ELV規制のスクリーニング手法として広く用いられています。
最近、電気・電子業界では従来のRoHSによって規制されている臭素に加え、塩素も規制するハロゲンフリー化が進められており、塩素濃度の測定が行われています。また、廃プラスチックや古紙を原料とした再生燃料RPFに含まれる塩素は、ボイラーの劣化原因となるため、塩素の濃度管理が行われています。
ここでは、エネルギー分散型蛍光X線分析装置EDX-7000によるClの感度とオプションのRoHS、ハロゲンスクリーニング分析キットを用いた有機物中塩素の分析結果を紹介します。
<EDX-7000のCl感度>
EDX-7000は塩素用の一次フィルタを標準搭載しており、高感度のCl測定が可能です。
ここでは住化分析センター製PE中Cl検量線試料による検出下限の結果を示します。
表1 試料含有量
試料名 | Cl含有量(ppm) |
PE-1E6DA (1) | 0 |
PE-1E6DA (2) | 43 |
PE-1E6DA (3) | 97 |
PE-1E6DA (4) | 230 |
PE-1E6DA (5) | 440 |
PE-1E6DA (6) | 1200 |

図1 住化分析センター製5mm厚塩素含有PE試料
表2 分析条件と検出下限
元素 | Cl(Kα) |
管電圧(kV) | 10 |
一次フィルタ | #2 |
雰囲気 | 大気 |
測定時間(sec.) | 100 |
検出下限(ppm) | 9 |


図2 検量線

図3 プロファイル
<RoHS、ハロゲンスクリーニング分析キットによる分析の流れ>
スクリーニング分析キットは、どなたでも簡単にRoHS, ハロゲンのスクリーニング分析や条件の管理が行える分析オプションとなります。
以下にこの分析キットを用いた分析例を示します。
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