Nexera UC
超臨界流体クロマトグラフを用いた揮発性香気成分の分取精製
ユーザーベネフィット
- 超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により香気成分のような揮発性化合物の分取精製が可能です。 - 分析フラクションシステムを用いることで分析条件の検討から目的成分の分取精製へスムーズに移行できます。 - 独自の気液セパレータ“LotusStream”により目的成分を高純度かつ高収率で回収できます。
はじめに
食品、飲料、パーソナルケア用品やエッセンシャルオイル(精油)などに含まれる香気成分の多くは分子量の小さな揮発性の化合物です。これらの香気成分中には、構造中に不斉中心を有するキラル化合物が数多く存在します。キラル化合物の医薬品がエナンチオマー間で異なる薬理効果を示すことと同様に、香気成分のエナンチオマー間で香りが異なり、それらの存在比が香りの質や強さにも影響します。そのため、エナンチオマー間の性質の違いを把握する事は香料原料の開発において重要であり、開発過程でエナンチオマーの分離および分取精製が必要とされています。 従来、香気成分のような揮発性化合物は、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いた分取が行われています。GCによる分取は高い分解能を示しますが、1回の分析あたりの試料負荷量が小さいこと、分析時間が長くなることが課題となっています。超臨界流体クロマトグラフィー (SFC) を用いた分取では、液体クロマトグラフィー(LC)と同等量の試料負荷が可能であり、短時間での分析が可能です。また、SFCの溶離液に用いる液化炭酸ガスは常温常圧下で気化し、分取後の画分には少量の有機溶媒のみが含まれます。そのため、目的成分を容易に濃縮することが可能です。 本稿では、ラベンダー精油中に含まれる香気成分であるリナロールを目的成分として、超臨界流体クロマトグラフ“Nexera UC” 分析フラクションシステムを用いた分取精製の例を紹介します。
2023.03.16
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