SUPERSCAN™ SS-4000 - アプリケーション
走査電子顕微鏡
非導電性材料の高分解能表面形状観察
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非導電性材料は電子ビームの照射により表面に電荷が蓄積し、画像が不鮮明になります。また、低加速電圧条件にすることで、電荷の蓄積を軽減させることができますが、環境磁場の影響を受けやすくなるほか、ビームの収差も大きくなるため、分解能は低下します。SS-4000のBrightBeamテクノロジーは、低加速電圧の条件でも、環境磁場による影響を受けにくく、収差の少ないビームを実現しているため、高分解能観察が可能です。高分子、ゲル、ゴム、粘土、生体高分子などのソフトマテリアルの高分解能観察にも適しています。
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陽極酸化アルミ
加速電圧 0.5 keV
In-Beam アキシャル検出器(SE)
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化粧品で処理された髪の毛の表面
加速電圧 1.0 keV、E-T 検出器(SE) -
セラミックの破面像
加速電圧 2.0 keV、E-T 検出器(SE)
微生物及び生体試料の分析
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生体試料の種類や用途は多様で、医療研究では組織・細胞の構造や形態、分布状態、化学特性などの把握が求められています。
観察対象の大きさに応じて、必要な解像度や倍率も異なります。多くの生体試料はSEM で観察するために特別な処理が必要です。高真空SEMでは生体試料の構造を変形させてしまいます。SS-4000のMultiVac™モードを使用すると数百パスカルの低真空で生体試料のチャージアップを抑えた状態での観察ができます。さらに、クライオ技術を用いて生体試料を急速冷凍し、極低温にして観察するためのシステム拡張も可能です。 -
珪藻
加速電圧 4.0 keV、40 Pa
GSD(SE)+ 水蒸気雰囲気、無蒸着
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ウラムラサキ(茸)の胞子
加速電圧 5.0 keV、40 Pa
LE-BSE 検出器(BSE)、無蒸着
水蒸気雰囲気 -
細菌
加速電圧 2.0 keV、100 Pa
In-Beam 検出器(SE)、無蒸着
Li イオン電池(LIB)の3元系正極材(NMC)の粒子サイズ評価
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電池は多くの構成要素からなり、その中でも正極材は重要です。正極材は活物質、導電助剤(通常はカーボン)、バインダーで構成され、粒子サイズが電池の性能に大きく影響します。均一な粒子サイズは製造過程での流動性と電極形成時の広がりを良くし、電池の品質向上と不良品の減少につながります。また、粒子サイズは電極の密度にも影響し、適切な密度を実現するために粒子サイズのコントロールが重要です。粒子サイズが小さすぎると副反応を増やし、材料の劣化を早める可能性があります。適切な粒子サイズ管理により、電池の高性能化と耐久性向上が期待できます。
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NMC粒子
加速電圧 1.0 keV、E-T検出器(SE)
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NMC粒子
MIPARによる粒子サイズ解析 -
MIPAR™による粒子サイズの評価
ナノスケール金属の研究および検査
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SEMは、世界中の多くの企業や研究施設で材料研究や試料検査に広く利用されています。SS-4000はBrightBeamの電子検出システムにより、金属試料から発生する複数の信号を検出し、材料の元素分析や相分析などができます。磁場レンズと静電レンズの組み合わせにより、無磁場環境中で磁性試料の表面形状観察や高い空間分解能のEDSおよび電子後方散乱回折(EBSD)分析が可能です。(EDSおよびEBSDはオプション設定)
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ハイスピード鋼(HSS)のEDSマッピング
緑:W、黄:Mo、青:Fe
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ハイスピード鋼(HSS)中炭化物
加速電圧 5.0 keV
In-Beamアキシャル検出器(SE) -
ECAP加工アルミニウムの電子後方散乱回折(EBSD)