ASTM D638 プラスチック引張試験方法
ASTM D638 プラスチック引張試験方法
ASTM D 638:Standard Test Method for Tensile Properties of Plasticsは,プラスチックなどの樹脂材料の機械的特性を取得するための,引張強度試験方法およびその計測装置精度などが規定されています。
樹脂材料(プラスチック)は,私達の日常生活の様々なモノに使用されていますが,その耐久性を保証しなければならない航空機や自動車などの輸送機の構造部材への採用が進み,金属材料と同様に耐久性を含めた機械的強度を評価することが重要となっています。
国内外に向けたビジネスを展開するにあたって,様々な規格に対応した試験を実施するためには,その規格の内容を理解すること,規格に準拠した試験システムによって試験方法を準拠することが求められます。
上記ASTM規格は,ISOおよびJIS規格とは異なる部分があり,それぞれの規格への対応の際には注意が必要です。
>”ISO527・JIS K7161 プラスチック引張特性の求め方”についてはこちら
試験力精度:±1%が必要です。
ASTM D638では, ASTM E4 Class1(JIS B 7721 Class 1 ISO 7500-1 Class1と同等)の試験力精度(表示試験力の±1%以内の精度)が要求されています。
AG-Xシリーズ,AGS-XシリーズおよびEZ Testシリーズは上記試験力精度に準拠しています。
AG-X シリーズ
High-performance High-Reliability
AGS-X シリーズ
Easy Operation High-throughput
EZ Test シリーズ
Compact solutions for Various Testing
伸び計測で絶対精度:10μm,相対精度±0.5%の精度が必要です(GL50mmの場合)
ASTM D638では,標線間距離(GL)が50mm,25mmのダンベル状試験片が記載されており,GL50mmが推奨されています。
引張弾性率の計測に使用する伸び計は,標線間距離の変化をASTM E83 ClassB-2(絶対精度:10μm(GL50mmの場合),相対精度:0.5%以内)の精度で計測できることが規格で要求されています。
また,降伏点以降かつ伸び20%以下においてはClassC(絶対精度:50μ(GL50mmの場合),相対精度:±1%以内),それ以降は相対精度:±10%以内と規定されています。
自動伸び計SIE-560SAシリーズ,ビデオ式非接触伸び幅計TRViewX,手動式伸び計SSG-H(クリップタイプ)は,上記精度を保証した伸び計です。特に自動伸び計SIEは,自動で伸び計アームの着脱可能で,GL25mm,50mmの両方の標線間距離に対応しており試験効率の向上,複数種類の試験片に対応できます。
■ASTM D638 ダンベル型 試験片形状
寸法 | Type I | Type II | Type III | Type IV | Type V |
厚さ,h | 7mm以下(3.2±0.4mmが推奨) | 7mmを超え,14mm以下 | 4mm以下 | ||
全長,l3 | 165 | 185 | 165 | 115 | 63.5 |
平行部長さ,l1 | 57 | 57 | 57 | 33 | 9.53 |
標線間距離,L0 | 50 | 50 | 50 | 25 | 7.62 |
平行部幅,b1 | 13 | 6 | 19 | 6 | 3.18 |
つかみ部幅,b2 | 19 | 19 | 29 | 19 | 9.53 |
つかみ具感距離,L | 115 | 135 | 115 | 65 | 25.4 |
- ダンベル形状だけで5種類
- 推奨はType I
- Type Iにて,平行部破断とならない場合にType IIを使用する
- Type Vは槽内試験など特殊状況時のみ使用する。(他にチューブ形状,ロッド形状もあり)
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