LC/MS/MSメソッドパッケージ 硫黄代謝プロファイリング
LabSolutions™ LCMS用
活性硫黄を含む17種の硫黄代謝物を対象とした前処理プロトコルと分析メソッドを提供
活性酸素等による生体分子の劣化が酸化ストレスをもたらし、様々な疾患の要因となることが知られています。近年、東北大学大学院医学系研究科の赤池孝章教授らが開発した統合硫黄メタボローム解析法によって、システインパースルフィドに代表される活性硫黄分子が生体防御や抗酸化ストレス応答を担うことが明らかになってきました。活性硫黄は脳、心臓、肝臓などあらゆる臓器に存在し、正常な人の血液中にも存在することから、老化防止や長寿にも関連するとともに、呼吸器、心疾患、がんなど酸化ストレスが関わる疾患の診断や予防、治療薬の開発につながるものとして期待されています。
LC/MS/MSメソッドパッケージ「硫黄代謝プロファイリング」では、活性硫黄を含む、全17種の硫黄代謝物をターゲットとして、各化合物の分離条件やMSパラメータが最適化されたLC/MS/MS用の分析メソッドを提供します。また、生体サンプルに、細胞・血漿を用いた誘導体化を含む前処理例を記載しています。本製品を用いることにより、前処理や分析法の検討を行うことなく、硫黄代謝物を分析することができます。また、マルチオミクス解析パッケージを用いた、定量結果の可視化ツールを使用することができます。このツールは、硫黄代謝物の各成分の代謝上の関係や比率、サンプル群間の差を分かりやすく図示し、定量結果の解釈をサポートします。
17種の硫黄代謝物の分析用に最適化されたLC条件
一般的な分析手法では、極性が異なる還元型グルタチオンと酸化型グルタチオン、システインとシスチン、そしてそれぞれに含まれる硫黄数が異なる化合物同士を一斉に分析することは困難でした。本メソッドパッケージでは、PFPPカラムと最適なLC条件の組み合わせにより、マトリクス効果を軽減しつつ、約17分での分析を達成しました。
相対定量を可能にするMS/MSパラメータ
活性硫黄は非常に不安定であり標準品が入手できず、定量が困難です。本製品に含まれるメソッドでは、任意の濃度に対して各成分の強度がグループ内でおおよそ同等となるように、各種MSパラメータを調整しています。これにより、各グループ内の成分の相対定量を、広いダイナミックレンジで正確に行うことが可能です。さらには、システイン、グルタチオン等の入手しやすい標準品を用いた外部標準法により、標準品が入手しにくい成分についてもおおよその絶対量の推定が可能となります。
細胞、血漿を対象にした前処理例:活性硫黄の安定化
硫黄代謝物の中でも、還元型の活性硫黄は非常に不安定であり、サンプルに対しての誘導体化反応を含む適切な前処理が必須となります。本メソッドパッケージの取扱説明書には、活性硫黄が含まれるとされる細胞および血漿を対象とした前処理例を記載しています。
定量結果の可視化
本メソッドパッケージには、マルチオミクス解析パッケージに対応した白地図が含まれており、定量結果を可視化することができます。硫黄代謝物の各成分の代謝上の関係や比率、サンプル群間の差を分かりやすく図示し、定量結果の解釈をサポートします。
※マルチオミクス解析パッケージは別売です。
注意事項
- LabSolutions LCMS は、Ver. 5.114 以降が必要です。
- 本メソッドパッケージは研究用です。
LabSolutionsおよびLCMSは、株式会社島津製作所またはその関係会社の日本およびその他の国における商標です。
本文書に記載されている会社名、製品名、サービスマークおよびロゴは、各社の商標および登録商標です。
なお、本文中では「TM」、「®」を明記していない場合があります。
本製品は、医薬品医療機器法に基づく医療機器として承認・認証等を受けておりません。
治療診断目的およびその手続き上での使用はできません。
トラブル解消のため補修用部品・消耗品は純正部品をご採用ください。
外観および仕様は、改良のため予告なく変更することがありますのでご了承ください。
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