LC/MS/MSメソッドパッケージ 飲料水中PFAS
EPA method 533、EPA method 537.1向けの飲用水中有機フッ素化合物の分析手順と分析メソッドを提供します
有機フッ素化合物(Perfluoro and Polyfluoro Alkyl Substances, PFAS)は、撥溶媒性、耐熱性、耐薬品性などに特徴を持ち、コーティング剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤などさまざまな用途に広く使用されてきました。一方で、環境中での残留性、生物蓄積性、生物への毒性、長距離移動性への懸念から、一部のPFASは残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)における対象物質*1,2に指定され、日本をはじめとするPOPs条約加盟国では、対象物質の製造、使用、輸出入の原則禁止や制限が求められています。各国において環境中や飲料水中でのPFASの規制導入や実態調査が進められるにあたり、含有量を定量的に評価できる分析方法の標準化が求められています。日本でもPFASに対する規制が導入され分析方法が公開されています*3,4が、2022年1月現在では対象成分は3成分のみと非常に限られています。一方、米国のアメリカ環境保護庁(EPA)は、飲料水中18種のPFASを分析する方法として2018年にEPA method 537.1を開発し公開しており、2019年には飲用水中の化合物リストを25種としたEPA method 533を発表しました。2023~2025年には全米で飲用水中の29種のPFASの実態調査(Fifth Unregulated Contaminant Monitoring Rule, UCMR5*5)を予定しており、その分析方法としてEPA method 533およびEPA method 537.1が使用される予定です。本メソッドパッケージには、EPA method 533およびEPA method 537.1向けの”Ready to Use”の分析メソッド、EPA method 533、EPA method 537.1の分析をサポートするための分析手順例、試料前処理や分析の際の注意点などの情報が含まれています。本製品をご使用いただくことで、飲料水中の52種類*6の有機フッ素化合物を分析することができます。
*1 ストックホルム条約 : http://chm.pops.int/TheConvention/ThePOPs/TheNewPOPs/tabid/2511/Default.aspx (2022年1月14日閲覧)
*2 経済産業省 POPs条約 https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/pops.html (2022年1月14日閲覧)
*3「水質基準に関する省令の一部改正等について」の留意事項について(薬生水発0330第1号)
*4 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施工等について(環水大水発第2005281号、環水大土発第2005282号)
*5 UCMR5 : https://www.epa.gov/dwucmr/fifth-unregulated-contaminant-monitoring-rule (2022年1月14日閲覧)
*6 内部標準物質、サロゲート等を含む
LC/MS/MSメソッドパッケージ 飲用水中PFAS
1. “Ready to Use”の分析メソッド
最適化済のLC/MS/MS分析メソッドファイルを含みます。装置、試薬、カラムをそろえれば、すぐに分析に着手できます。手間のかかる分析条件検討は不要です。
2. 図解入りの分析手順例
EPA methodに沿った分析手順例を図解入りで示しています。難解なEPA methodの理解を手助けします。
また、手順ごとにEPA method原文における対応箇所を明示しており、必要に応じて原文参照が簡単に行えます。
3. 分析上の注意点・ヒント
分析手順に沿って、分析をスムーズに行うためのヒントや分析上の注意点を分かりやすく記載しています。
PFAS分析用オプションキット
LC接液部からの有機フッ素化合物の溶出を最小化するための「PFAS分析用オプションキット」(別売)をご用意しています。本製品とPFAS分析用オプションキットをあわせてご利用いただくことで、より信頼性、堅牢性の高い有機フッ素化合物の分析が可能になります。
クロマトグラム例
登録化合物一覧
注意事項
LabSolutions LCMSはVer.5.113以降、LabSolutions InsightはVer.3.8SP3以降が必要です。
本メソッドパッケージは研究用です。臨床診断用途で使用することはできません。
LabSolutions、LCMSおよびLabSolutions Insightは、株式会社島津製作所またはその関係会社の日本およびその他の国における商標です。
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島津製作所は日本食品衛生学会 第120回学術講演会でランチョンセミナーや口頭発表を行います。
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食品中のアレルゲン・PFAS分析
~LCMSの基礎から最新事例まで!~配信日:2024年10月22日 (火) 14:00 ~ 16:00
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第50回BMSコンファレンス(2024)記念シンポジウム
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日本食品科学工学会 第71大会
日本食品科学工学会 第71大会でポスター発表とランチョンセミナーを行います。