USP General Chapter に準じた ニトロソアミン不純物の分析(GC-MS、LC-MS)

2018年7月以降,バルサルタン,ラニチジンおよびメトホルミンの原薬から発がん性が疑われるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)やN-ニトロソジエチルアミン(NDEA)などのニトロソアミン類が検出されたことを受け,関連する製剤のリコールや販売中止が世界的に進められています。これに伴い,ニトロソアミン分析の需要が世界的に増加しています。

2021年12月1日に米国薬局方 (USP)は,ニトロソアミン混入のリスク評価と管理戦略のための一般試験法 General Chapter <1469> Nitrosamine Impuritiesを発行しました。
USP General Chapter <1469>は,原薬および製剤中のニトロソアミン不純物の管理を適切に実施するために,近年の科学的および規制的アプローチに沿って作成されており,医薬品中のニトロソアミン不純物を除去・低減するための科学的根拠に基づく対処を提供することを目的としています。

General Chapter <1469>の分析メソッドには,Procedure 2にヘッドスペースGC-MS/MSが,Procedure 3にHPLC-MS/MSが使用されています。ここでは,ヘッドスペース GC-MS/MS法,LC-MS/MS法によるニトロソアミン類の分析を紹介します。

Procedure 2: ヘッドスペースGC-MS/MSによるNDMA, NDEA, NDIPA, NEIPAの定量分析 

 
 

Procedure 3: HPLC–MS/MSによるNDMA, NDEA, NDIPA, NEIPA, NMBA, NDBAの定量分析

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