工程別評価
リチウムイオン電池は、原反工程と組立工程を経て製造されます。製造過程では様々な物理的・熱的なストレスが加わり、また電池が完成した後も、充放電に伴う電気化学反応により内部状態が変化します。ここでは、各原材料が組み合わさった複合状態での評価手法や製品品質を確認するための装置およびソリューションについて紹介します。

電池の構成部材はRoll To Rollを用いてシートとして製造されるため、反物を作る工程として原反工程と呼ばれます。集電体に極材を塗工/乾燥したものとして正極、負極が製造され、スリット工程にてカットされます。セパレータは樹脂フィルムとして製造されます。このように様々な工程を経た複合材料としての評価は現材料単体とは異なる指標での評価が必要となります。

原反工程で製造した各構成部材を積層/巻回したものを電池セルに組込みます。組込後溶接により封止し、電解液を注入します。組立られた電池セルは、初回充電によるエージング処理が施されます。 最終的な組立状態を非破壊で分析することや、エージング処理で発生するガス分析により、電池製品の信頼性向上が期待できます。