リチウムイオン電池正極中の残存NMPおよび残留溶媒の測定

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ユーザーベネフィット

ーリチウムイオン電池正極中の残存NMPや類似構造の残留溶媒の分離分析ができます。 ー正極製造工程の乾燥条件の最適化や、正極の残留溶媒量の品質管理の定量化が可能です。 ーBrevisGC-2050およびGCMS-QP2050を組合せることで、装置フットプリントを最小化することができます。

はじめに

リチウムイオン電池(LiB)は、正極・負極からなる電極と、電解液、セパレータなどで構成されています。電極は活物質や導電助剤、バインダーなどを有機溶媒に混合したスラリーを金属膜(集電体)に塗装、乾燥させることで形成されます。 溶剤系スラリーに用いられる有機溶剤としてはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)が知られており、特に正極の品質管理のために、乾燥工程において正極中のNMPの残存量が調べられています。 本アプリケーションではヘッドスペース法を用いたGC-FIDによるリチウムイオン電池NCM(ニッケル、コバルト、マンガン三元系)正極中の残存NMPの簡易な分析手法を紹介します。また、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を用いて、NCM正極に残存するその他の溶媒について定性した結果と、乾燥工程の異なる5種の正極について残留溶媒量を比較した結果を紹介します。

2024.06.21