Nexera臭素酸分析システム
検出原理
イオン交換クロマトグラフィーにより臭素酸イオンを分離後,三臭素イオン法によるポストカラム誘導体化を用いて検出します。
ポストカラム反応では,臭素酸イオンを臭化カリウム-硫酸溶液と反応させ,三臭素イオンを生成し,268 nmの波長で検出します。
高濃度の反応液を効率よく混合するための独自の混合方式を採用した専用配管キット(特許第4082309号)により告示法に準拠した分析をより安定に行えます。流路図の赤色配管部分をパッケージングされたキットとして提供します。
告示法の要求を満たす定量精度で分析可能
Nexera臭素酸分析システムでは,独自設計の反応液混合部の採用により基準値の10分の1濃度である0.001 mg/L(1 µg/L)まで,面積値繰り返し再現性(RSD)が10%以内となる定量精度と,十分なS/Nをもって分析が可能です。
臭素酸イオン標準液のクロマトグラムと再現性
(0.001 mg/L)

臭素酸イオン標準液の検量線
(0.0005~0.02 mg/L)
連続分析中に溶離液や反応液を枯渇させない移動相モニター

臭素酸分析では,溶離液と2種類の反応液を使用します。それぞれの送液流量が異なりますが,溶離液や反応液,オートサンプラのリンス液の残量を重量センサー*を用いて,リアルタイムで全ての溶液をモニタリングも可能です。分析開始時に,残量が必要な液量を満たさない場合はメッセージでお知らせします。また,分析中も常に残量をモニターして,枯渇の可能性が生じれば作業者にPCやスマートデバイスで通知し,交換のタイミングを事前に判断しやすくなります。
*オプション

分析で消費する量を満たすかチェック

ラボ外でも残量をモニター
高価なカラムを保護しながらスタートアップ

FlowPilot機能がカラムを保護しながらシステムを自動安定化

熟練者は送液を開始する際,急激な圧力負荷によるカラム劣化を避けるため,カラム温度を上げながら段階的に溶離液流量を増加させます。カラムオーブン温度と連携した移動相(溶離液)流量制御機能 FlowPilotは,まるで熟練者のような手順でカラムを保護しながらカラム平衡化を自動実行します。
熟練度によらず信頼性の高い分析を実現

万が一に備えて,常に自らを監視

ごく稀に,気泡となった移動相中の溶存空気がポンプ内に引き込まれ送液不良を引き起こし,クロマトグラムに異常を生じさせることがあります。新しいNexeraシリーズではこの現象を検知し(自己診断),オートパージによって気泡を排除してシステムを正常に回復する(自己復帰)機能を搭載しています。無人運転でも信頼性の高いデータが得られ,失敗データ採取で移動相や貴重な試料を無駄にすることもありません。
試料冷却を確実に保つ独自構造
SIL-40Cシリーズは,分析中でも試料バイアルやMTPの追加挿入が可能なダイレクトアクセス機能を有し,分析業務の効率化を推進します。
Dry air flow controlは試料を確実に冷却すると共に,結露水の煩わしさから解放します。