Nexera™ UC
超臨界流体クロマトグラフィーを用いた実験的極性表面積の測定
ユーザーベネフィット
- 超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により、実験的極性表面積(Experimental Polar Surface Area;EPSA)の測定が可能です。 - Open Solutionを活用することで、オープンアクセス環境下での効率的なEPSAの測定が可能です。
はじめに
新薬開発において薬物の極性は、標的部位への透過性を左右する重要な因子です。極性表面積(Polar Surface Area;PSA)は分子表面に露出する極性領域の面積の総和を示す値であり、PSAと膜透過性に関連する実験データとの間には良好な相関が報告されています。先行研究では、PSAが140Å2を超える分子は、細胞膜透過性や経口投与性に劣る傾向があり、血液脳関門を透過する分子には、PSAが60~70Å2程度であることが必要とされています。また、PSAが100Å2を超えるペプチドは受動的な透過性が顕著でないことが確認されています。 分子内の原子の結合パターンに基づき計算されたPSAはトポロジカル極性表面積(Topological PSA;TPSA)と呼ばれ、創薬初期段階における候補化合物の物性予測などに使用されます。しかし、TPSAは分子の立体的な構造を考慮せずに計算されるため、分子内水素結合の形成により立体構造が変化するペプチドなどの中分子では、分子表面に実際に露出する極性領域を適切に評価できない場合があります。これに対しEPSAは、SFCの保持時間を元にした実測値になります。詳細には、分子表面に実際に露出している極性領域が大きいほど、SFCの保持時間が長くなるような分析条件で作成した検量線に基づき測定されます。EPSAはTPSAで膜透過性を正確に予測しにくい分子群にも有効であるとされています。 本稿では、超臨界流体クロマトグラフNexera UCとフォトダイオードアレイ(PDA)検出器に加えてシングル四重極質量分析計LCMS-2050を活用し、ペプチドのEPSAを測定した事例を紹介します。また、創薬段階で合成された大量の化合物のEPSAをハイスループットに測定するには、装置を常に分析ができる状態に維持し、前の使用者の使用状況に寄らずに信頼性あるデータが得られる環境の構築が必要です。本稿の後半では、オープンアクセス用ソフトウェアOpen Solutionを活用した装置のオープンアクセス化と高効率なEPSA測定ワークフローを紹介します。
2026.04.08
関連製品
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。