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ユーザーベネフィット

- 食用油中の金属元素を正確に分析することが可能です。 - 有機溶媒による希釈のみの前処理で食用油を分析でき、試料前処理の簡略化やスループットの向上が期待できます。 - 耐溶媒性のあるペリスタルティックポンプチューブを使用することで、有機溶媒の分析であっても内標準元素をオンラインで添加でき、手作業での添加作業を省略できます。

はじめに

食用油は我々の食生活に欠かせないものです。食用油中の金属元素の分析は食の安全や油の保存性といった観点から重要です。食品及び飼料中の汚染物質及び毒素に関するコーデックス一般規格(以下、CODEX)では、食用油に含まれる重金属(ヒ素、鉛)の管理が求められています。また、食用油中の銅や鉄、マンガン等の金属イオンは酸化触媒として作用し、油の劣化に影響を与えます。 食用油中の金属元素を分析する手法として、食用油を酸分解し、ICP発光分析法(ICP-AES)やICP質量分析法(ICP-MS)で分析する方法が知られています。酸による分解処理を行うことで、有機物マトリクスを除去することができますが、前処理過程での分析対象元素の揮散や汚染が分析値に誤差を生じさせるリスクがあります。また、煩雑な前処理操作には時間がかかるため、スループットが制限されます。一方、食用油を有機溶媒で希釈し、ICP-AESで分析する手法も用いられますが、AsやPb等の微量有害金属元素の分析に十分な感度を得ることが困難な場合があります。 そこで、本アプリケーションニュースでは、食用油を有機溶媒で希釈するだけの簡便な前処理で、ICPMS-2050に導入し、食用油中の25元素を分析しました。また、添加回収試験を行い分析値の妥当性を確認しました。

2025.08.27

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