高度再生処理によるリサイクルプラスチックの物性変化と それに影響を与える微細構造変化の多角的評価(その1) -容器包装由来リサイクルポリエチレンへの適用例-

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ユーザーベネフィット

-汎用的な装置での多角的測定により、成形時のプラスチック内の微細な物理構造の変化を評価することが可能です。 -プラスチックの物性と物性に影響を及ぼす要因の把握が可能です。

はじめに

近年の脱炭素・循環社会に対する意識の高まりを受け、世界中でプラスチックリサイクルへの取り組みが進められています。リサイクルプラスチックの製品適用では機械特性、熱特性の低下、臭い、余寿命の見積もり、品質ばらつき、そしてコストバランスなど、複数の課題が指摘されています。その中でも機械特性の低下は製品の安全性と品質安定性に直結することから、多くの産業で改善すべき課題として認識されています。機械特性低下の原因は使用済みプラスチックの劣化、異物などの影響があると考えられています。劣化は、従来は化学変化による影響が大きな要因とされていましたが、近年、福岡大学の研究成果より、化学変化だけではなく物理変化の影響も大きいことが分かっています。そしてこの物理変化はプラスチック内部の微細な物理構造の変化が主な影響因子の一つと考えられ、この微細な物理構造を制御する技術として福岡大学が開発した高度再生処理による物性改善の成形技術が注目されています。ここでは、多角的な評価により、高度再生処理によるリサイクルプラスチックの物性改善の有無とその原因について評価しました。

2025.03.04