DUH™-211/210シリーズ
ダイナミック超微小硬度計

あらゆる材料の表面物性評価、硬度測定、弾性率測定に
DUH-211シリーズは、従来のくぼみの対角線長さを測定するのではなく、負荷と押しこみ深さの関係をリアルタイムに計測し表面物性を評価します。押しこみ深さは自動的に測定されますので、個人差無く、金属材料を始めとして、薄膜表面処理層、微小電子部品、プラスチック、ゴム、セラミックスなど、あらゆる材料の表面物性評価に威力を発揮します。
また、本装置は押し込み硬度評価のみならず、最近注目されている押し込み試験による表面物性評価への対応を目的として開発しました。これによりISO14577-1(計装化押し込み硬さ試験)におけるマルテンス硬さ、押し込み弾性率、仕事量、クリープ評価(Annex A)*1 に対応した評価やISO/TS 19278*2 による多様なプラスチックの同一条件、同一スケールによる評価が可能です。さらに、Tangent depth法*3 による押し込み弾性率および等価押し込みビッカース硬さの評価にも対応しています。
- ISO14577-1
Metallic materials - Instrumented indentation test for hardness and materials parameters - part1:Test method
Annex A: Materials parameters determined from the force/indentation depth data set
圧子を材料に押し込んだ際の試験力と押し込み深さの変化を連続的に測定し、材料の硬さやヤング率、クリープ変形等の強度特性を求めるための新しい評価方法についての規格。当社DUHは、マイクロレンジに相当します。 - ISO/TS 19278
Plastics — Instrumented micro-indentation test for hardness measurement
多様なプラスチックの硬さが比較できるように、計装化押し込み硬さを用いて同一スケールで評価するための規格。 - Tangent depth法 および 等価押し込みビッカース硬さの出典
- 材料試験技術 Vol. 62 No. 2 2017年4月号 P.68‒77
Proposal for ISO 14577-Part 1: Test method (Verification of the calculation method of Young’s modulus for wide range of materials and test forces with already calibrated machine frame compliance in its testing system - 材料試験技術 Vol. 65 No. 1 2020年1月号 P.4‒17
Calculation theory of the Equivalent Indenting Vickers hardness HVI (IW) and Implementation for many kinds of material and test force ranging from 10 mN to 1960 mN with Berkovich indenter in the Instrumented Indentation Test
- 材料試験技術 Vol. 62 No. 2 2017年4月号 P.68‒77
DUHは、株式会社島津製作所またはその関係会社の日本およびその他の国における商標です。
特長
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- 標準規格(ISO 14577-1 Annex A)におけるマルテンス硬度および材料パラメータを評価
圧子押し込み過程の試料の挙動を計測することにより、ISO 14577-1(計装化押し込み硬さ試験)Annex Aにおける硬度、弾性率の評価、押し込み仕事量の評価を行うことができます。 - ISO/TS 19278に対応
規格に準拠したプラスチックの同一条件測定による評価が可能です。(DUH-210/210S) - 精度の良い弾性率評価
圧子先端形状*4 ・装置剛性の補正を行い、弾性率の評価を行うことができます。 - 低試験力、測定分解能 0.196 μN
0.196 μNという高分解能で試験力を制御します。したがって、試料の微小な領域、極表面の材料強度特性を得ることが可能です。 - 超ワイドな試験力レンジ 0.1~1961 mN
0.1 mNから1961 mNという幅広い試験力レンジでの測定が可能です。ゴム、プラスチックからセラミックスまであらゆる工業材料の試験が可能です。
- 標準規格(ISO 14577-1 Annex A)におけるマルテンス硬度および材料パラメータを評価
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- 高精度の押し込み深さ測定方式採用
くぼみの計測は不要です。圧子の試料への押し込み深さを0.0001 μmの最小読み取り単位で、最大10 μmまで測定します。(DUH-211の場合) - 各種試験方法に対応
試験力と圧子押し込み深さとの関係を記録します。負荷過程だけでなく除荷過程の試験も可能であり、またDUH-211S/210Sでは、負荷・除荷の繰返し試験、ステップ負荷-除荷試験等も可能です。 - ビッカース硬さ試験に対応
対角線長さの読取り機能が標準で付属していますのでくぼみの対角線長さを測ることにより、塑性変形分のみの硬さ、ビッカース硬さもしくはヌープ硬さを求めることができます(ビッカース圧子、ヌープ圧子はオプション)。
顕微鏡の倍率は最大500倍(オプションにて1000倍)です。
- 高精度の押し込み深さ測定方式採用
- 圧子先端形状補正を行うのは、三角すい圧子115°のみです。その他の圧子の形状補正は行いません。
測定原理
電磁力により圧子(標準は三角すい圧子115°)を試料に押し付けます。押圧力は0から設定試験力まで一定の割合で増加させます。試料に圧子を押し込む過程で、圧子の試料への押し込み深さを自動計測します。
これにより圧子の押し込み過程での試料の変形抵抗の変化をダイナミックに測定することができ、種々の情報を得ることができます。本装置で得られる硬さは圧子押し込み過程でのダイナミックな硬さであり、試料の塑性変形分と弾性変形分の両方を含めて評価しています。また、くぼみの大きさが顕微鏡で観察可能な大きさであれば対角線長さを測定することにより、塑性変形分のみから硬さを得ることもできます。
超微小負荷硬さ演算式
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- 三角すい圧子 115°(標準):DHT115 = 3.8584×F/h2
- 三角すい圧子 100°(オプション):DHT100 = 15.018×F/h2
- ビッカース圧子(オプション):DHV = 3.8584×F/h2
- ヌープ圧子(オプション):DHK = 1.5583×F/h2
本硬さの次元は[kgf/mm2]ですが、一般的に硬さには単位を付けません。

マルテンス硬さ演算式(ISO 14577-1 Annex A)
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- 三角すい圧子 115°(標準):HM115 = 1000 F/26.43×h2 [N/mm2]
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- ビッカース圧子(オプション):HMV = 1000 F/26.43×h2 [N/mm2]
対角線長さによる硬さ演算式
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- 三角すい圧子 115°(標準)
HT115 = 160.07×F/d2
- 三角すい圧子 115°(標準)
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- 三角すい圧子 100°(オプション)
HT100 = 121.53×F/d2
- 三角すい圧子 100°(オプション)
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- ビッカース圧子(オプション)
HV = 189.10×F/d2
- ビッカース圧子(オプション)
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- ヌープ圧子(オプション)
HK = 1451.1×F/d2
- ヌープ圧子(オプション)
試験例

ISO/TS 19278( プラスチックに対する計装化押し込み硬さ) による評価(DUH-210/210Sの場合)
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従来のプラスチック用硬さ試験と異なり、Rigid plasticsからSemi rigid plasticsまで多様なプラスチックの硬さを同一条件、同一スケールで比較することができます。ソフトウェアに専用モードを用意しており、簡単に試験が可能です。
押込み試験力:500 mN
負荷除荷時間:各30秒
保持時間:40秒
試験回数:5回以上
使用する硬さ:HIT 
プラスチックの性能向上に伴い、プラスチックの用途は広がっています。その中でも、自動車用の窓枠やモバイルフォンのケースに使用されるものには耐久性/傷つきにくさが、プラスチック歯車などの機構部品では変形のしにくさが、バンパーなどの衝撃吸収部材には適度な軟らかさが求められます。
プラスチックの『硬さ』は、材料の変形しにくさ、傷つきにくさを評価するだけでなく、ブレンドポリマー配合における品質管理や成型品の品質安定性確認などに有効です。
本規格では、下記表のような試験方法の違いによる課題が解決されました。これにより硬さ試験は、品質管理部門での従来の用途においてさらに多様な形状の試験片の測定が実施できるだけでなく、開発部門での材料選定や性能スクリーニングなどでの活用も可能となりました。
ISO/TS 19278はマイクロインデンテーション法を採用することにより、ロックウェル硬度法、ボール押し込み法よりも微小な押し込み変位と試験力で測定ができるため、スケールレス(同一条件)で、かつ従来の試験法よりも微小な試験片での測定が可能です。
また、表面検出の測定誤差発生の可能性、緩和特性の影響といったプラスチック特有の材料特性による測定結果への影響を考慮した測定条件があらかじめ設定されているため、再現性の高い測定を行うことができます。
表1. 従来の硬さ試験法の課題とISO/TS 19278の試験法のメリット
| 従来の硬さ試験法 (ロックウェル硬度法) |
ISO/TS 19278 マイクロインデンテーション法 |
ISO/TS 19278だと… | |
|---|---|---|---|
| 圧子 | 試験片の硬さによって鋼球圧子の直径を変える必要がある。 | オリジナルベルコビッチ圧子のみ。変更不要 |
• 条件変更の手間が不要 |
| 試験力 | 初期試験力が98.07N、最大試験力が588.4Nから980.7Nと大きい。 試験片の硬さによって最大試験力を変える必要がある。 |
最大試験力500 mNと小さい。 | |
| 押し込み深さ | 300~1600 µm | 数µmから数十µm | |
| 同一条件下での比較 | HRが50~115の範囲になるように試験片の硬さによってスケールを選択しなければならない。 | スケールレスで測定が可能 | |
| 試験片の調整 | 6 mm未満の厚みの試験片の場合は重ねる必要あり。データに影響がある。 | 6 mm未満の厚みの試験片でもそのまま測定が可能 |
注)FRPは、ISO/TS 19278の適用範囲に含まれません。
Tangent depth法による評価
Tangent depth法による押し込み弾性率EIT(hr)と等価押し込みビッカース硬さHVI(IW)を用いた評価にも対応しています。Tangent depth法は、引張試験によって得られる弾性率(ヤング率)により近い解析結果が得られるよう考案された解析方法で、バルク材の引張試験結果による弾性率を基準として、めっき層、コーティング層の弾性率を比較しやすくなります。
また、Tangent depth法では、ビッカース硬さ試験が困難な薄い試料形状に対して、従来よりも優れた一致を提供する換算値として考案された等価押し込みビッカース硬さも考案されています。
データ処理
必要な項目を設定することにより、
必要な情報を求めることができます
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データ処理項目 結果表示 深さ2乗-試験力グラフ出力 試験力-深さデータ出力 予試験力による硬度計算 試験力-深さグラフ出力 硬さ-パラメータグラフ出力 硬さ-深さグラフ出力 換算硬さの計算 2点間硬さ-深さグラフ出力 表面検出点の再変更 深さ-時間グラフ出力 弾性率計算 硬さ-試験力グラフ出力 アスキーファイル出力 -

News / Events
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微小圧縮試験機「MCT-210AD」を発売
業界初となる「多数のサンプル粒子の中から、指定したサイズに適合する粒子を自動で選別し、適合度の高い順に連続測定する多点連続測定」を実現しました。
これにより、作業時間や手間を大幅に削減し、業務の省力化に貢献します。 -
疲労・耐久試験Webinar
GX時代の新材料・部品にワンランク上の信頼性を!配信日:2025年10月30日 (木) 14:00 ~ 15:00
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精密万能試験機 AGS-V発売記念Webinar
配信日:2025年7月3日 (木) 14:00 ~ 15:00
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当社の高速度ビデオカメラ20周年を記念した特設サイトを公開しました
島津製作所の高速度ビデオカメラは2025年に発売20周年となりました。
20周年特設サイトでは高速度ビデオカメラの歴史やユーザーコメントを紹介しています。 -
卓上型精密万能試験機 オートグラフAGS-Vシリーズを発売
普及機種としては初めて「音声案内」「飛散防止カバー」などの安全機能を搭載しました。また、従来機から試験力保証範囲を2倍、最大試験速度を1.5倍向上しており、ロードセルや治具の交換作業などが減り、試験効率を上げられます。
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LiB Webinar 2025 DAY2
配信日:2025年3月27日 (木) 13:00 ~ 15:05