トリプル四重極質量分析計を用いた食品中のPFAS分析 その2 (牛乳)

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ユーザーベネフィット

- 最適化された前処理手法およびLC-MS/MS分析メソッドを用いることで、AOACが指針値を出す30種類のPFASについて0.01 μg/kgから精度よく定量可能です。 - 本メソッドおよび前処理手法を用いることで、食品中PFASの分析を始めることが可能です。

はじめに

ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(Per-andPolyfluoroalkylSubstances,PFAS)は、4,000以上の有機フッ素化合物の総称です。代表的な化合物としてはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やペルフルオロオクタン酸(PFOA)が挙げられます。これらの化合物は優れた撥水性や撥油性、耐熱性、耐薬品性を持ち、化学的に非常に安定です。その特徴から防火剤や食品包装材、非粘着性コーティング剤など幅広い用途に使用されています。PFASは構造的に非常に安定であるため自然界で分解されにくく、環境中における残留性があります。 昨今の研究から、PFASが混入した飼料や水を乳牛が取り込むことでPFASが乳製品へ移行することが明らかになっています1)。人がPFASを含む乳製品を摂取することによる健康被害が懸念されており、乳製品中のPFAS含有量を定量的に把握することは重要であると考えられます。乳製品中のPFASの濃度をモニターするためには、高精度かつ高感度な定量方法が重要です。 このアプリケーションニュースでは、牛乳中に含まれるPFASをLC-MS/MSにて分析した例を紹介します。食品検査法の標準化や分析手法の検証などを行う北米の組織であるAOACINTERNATIONALがターゲットとした30種類のPFAS2)について定量を行いました。前処理方法から検討し、添加回収試験において妥当性を検証しました。前処理におけるロスを低減し、LC-MS分析条件を最適化することにより、すべての化合物で0.01μg/kgから良好な回収率を得ました。

2024.09.03

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