GC-MSとLC-MSを用いた香気・代謝成分の解析とクラフトビール開発へのアプローチ

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ユーザーベネフィット

-Smart Aroma Database™・Smart Metabolites Database™ver.2によって、香気成分・代謝成分の網羅分析が可能です。 -マルチオミクス解析パッケージにより、GC-MS 、LC-MSで得られたメタボロームデータを効率良く解析できます。 -LC-QTOFにより未知成分の帰属解析が可能です。

はじめに

クラフトビールは小規模スケールにて醸造されるビールで世界的に愛飲されています。醸造所によって麦芽やホップなどの材料、ビール酵母や醸造方法にこだわりがあり、個性溢れる香り・呈味を楽しむことができます。ビールの風味の評価は、品質管理や製品開発などに必須であり、その方法は多岐にわたります。近年、人による官能評価の代わりに、分析機器を用いて食品中の香気成分と代謝成分を網羅的に測定し、客観的に風味・機能性を評価する手法が注目を集めています。 本稿では、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)と液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)によりビールを測定しました。まずGC-MSにより香気成分を解析しました。次にGC-MSとLC-MSそれぞれによるターゲットメタボロミクスにより、共通サンプル中の代謝成分を相補的に解析しました。最後に、四重極飛行時間型液体クロマトグラフ質量分析計(LC-QTOF)にて、サンプル中の未知代謝物を精密質量により帰属しました(ノンターゲットメタボロミクス)。GC-MSとLC-MSで検出可能な化合物が異なり、両手法を用いることでデータを補完できます。得られたデータから、クラフトビール開発へのフィードバックを試みました。

2024.03.22