MALDI-MSを用いたプロテオタイピングによる乳酸菌の分類

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ユーザーベネフィット

- 乳酸菌の亜種レベルでの分類が可能な方法です。 - MALDIマススペクトルとeMSTAT Solutionにより、菌株に特異的なバイオマーカーを簡単に抽出できます。 - Strain SolutionによりMALDI-MSプロテオタイピングが行えます。

はじめに

AXIMA微生物同定システムなど、MALDIマススペクトルのパターンマッチングにより試料微生物の属や菌種を同定するシステムは、臨床微生物や食品微生物の検査を中心に普及し始めています。しかし、同種の微生物でも病原性や抗菌活性などの特徴は異なるため、同種の微生物をさらに細かく識別する技術が求められる場合があります。例えば、ヨーグルトの発酵に用いられる乳酸菌 L. lactis subsp.cremoris とL. lactis subsp. tructae は 、2021年にL. lactis の亜種から外れてL. cremoris に再分類されています。 MALDI-MSプロテオタイピングは、MALDIマススペクトル上で明瞭なピークシフトとして捉えられるタンパク質の僅かなアミノ酸残基の変異に注目し、類縁性の高い微生物を識別できる手法として細菌の亜種やサブタイプレベルの分類に適用されています。例えば、MALDI-MSプロテオタイピングをアクネ菌の分析に適用した場合、サブタイプレベルで正しく分類することに成功しています。 本アプリケーションニュースでは、市販のヨーグルトから単離した乳酸菌およびその類縁菌をAXIMA微生物同定システム、統計解析ソフトウェアeMSTAT Solutionおよび高精度細菌識別ソフトウェアの Strain Solution を用いて、MALDI-MSプロテオタイピングにより亜種レベルで分類した成果をご紹介します。

2023.04.12

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