輸入オレンジ皮表面の防カビ剤分析(1) -簡便な前処理と精密質量による物質の特定-

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はじめに

海外から日本へ輸入される農産物は、輸送期間が長期にわたるため、収穫後の輸送過程でのカビや腐敗を防止する目的でポストハーベスト農薬が散布されます。日本では指定されていないポストハーベスト農薬を使用した食品について、輸入や使用、販売等が禁止されています。そのため、簡便な前処理と操作でどのようなポストハーベスト農薬が使われているか検査できる技術は、検査時間を短縮でき、その結果として輸送期間の短縮にもつながることが期待されます。 ここでは 、探針エレクトロスプレーイオン化質量分析計DPiMS QTと四重極飛行時間型(Q-TOF)質量分析計LCMS9050 の組み合わせにより、輸入オレンジの皮表面に残留したポストハーベスト農薬である防カビ剤を、簡便な前処理で検出した例をご紹介します。