Easy wiper を用いたTOC 測定による洗浄バリデーション

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はじめに

医薬品工業において製造設備を洗浄した後に,設備への残留物を定量し,その量が許容限度以下であることを検証する洗浄バリデーションは,品質管理や安全性の確保の観点から重要です。島津 TOC計で洗浄バリデーションを実施する場合,サンプリング法や測定法の違いにより次の 3 種類の方法があります。 ・スワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法 ・スワブサンプリング-水抽出- TOC測定法 ・リンスサンプリング- TOC測定法 サンプリング法にはスワブ法とリンス法がありますが,残留物をより精確に評価するためにはスワブ法でサンプリングすることが適しています。また測定法については,直接燃焼炭素測定法は,スワブ材からの試料抽出などの前処理を必要としないので,効率よく迅速かつ簡便に測定することができます。したがって,島津 TOC 計を使用したスワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法は,洗浄バリデーションとしてたいへん有効な方法です。 これまでスワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法では,石英ガラスのろ紙をスワブ材としてサンプリングする方法を紹介してきましたが,この方法では石英ガラスろ紙の破片が拭き取りした設備表面に残り,再度洗浄することが必要な場合がありました。そこで,石英ガラス繊維の Easy wiperを使用することにより,破片が残ることがなくなり,拭き取り時の煩わしさを軽減できるようになりました。 今回,Easy wiperをスワブ材として使用して,医薬品やその成分を測定しましたのでご紹介します。

2017.01.18