APCI-LCMS-8060を用いた食品中のキャプタン、フォルペットおよびそれらの代謝物の分析

ユーザーベネフィット

- 食品中のキャプタン、フォルペットおよび代謝物を迅速にモニタリング - 複雑な食品マトリクスでも高感度、良好な再現性、優れた頑健性

はじめに

キャプタン、フォルペットおよびそれらの代謝物は、農業用の殺菌剤として広く使用されており、これらの毒性を考慮して、食品中でのモニタリングがされています。フォルペットは、ブドウ畑や小麦、トマトなどの作物で最も使用されている農薬の一つです。キャプタンは、指令2007/5/ECによって指令91/414/EECの付属書Ⅰに収載されている活性物質です。これらの成分は、主にGC/MSで分析されていますが、熱分解の影響を受けて、頑健性が低下する場合があります2)。 本稿では、APCIを搭載したLCMS-8060を用いた高感度かつ高速モニタリング法を開発しましたので紹介します。本法によりEN 15662:2018に基づいて前処理した食品サンプルを分析したところ、(EC) No 396/2005またはFAO/WHO合同会議3)で示されている基準値を下回る定量限界値であることが明らかとなりました。また、抹茶のような複雑なマトリクスでも良好な再現性で、優れた頑健性が示されました。

2020.11.29