地表水に含まれるPFASのノンターゲット分析

PFAS規制に関する公定法の中には、数十種のPFASを対象とするものもありますが、PFASに該当する化合物は、全体としてそれよりもはるかに多数であると考えられています。このため、一般的に測定対象のPFASがサンプルから検出されなくても、測定対象でないPFASに関しては、存在が否定ができないという側面があります。

地表水に含まれるPFASの
ノンターゲット分析

四重極-飛行時間型質量分析計LCMS-9030を使って、潜在的なPFASや未知のPFASの存在を検証することが可能です。LCMS-9030は、四重極型質量分析計の定量性とTOF型質量分析計の定性性を併せ持ち、特に定性性の側面を有効に活用することで、潜在的PFASの探索を行うことができます。

精密質量や特徴的なMS/MSフラグメントなど、化合物の定性を行うための手掛かりはいくつか存在しますが、とりわけPFASに対してはMass defect filtering(MDF)法によるスクリーニングが有効です。MDF 法はモノアイソトピック質量から整数質量を差し引いた値(マスディフェクト)でフィルタリングを行う手法で、PFASはフッ素原子を含むために特徴的なマスディフェクトが得られます。また、Data Dependent Acquisition(DDA)モードによるデータ取得も、特徴的な成分の洗い出しに役立つ有用なツールです。LCMS-9030では、これらの手掛かりを組み合わせることにより、潜在的なPFASの存在を検証することが可能です。

  • S/Nが悪いピークでも問題なく波形処理が可能

    MSスペクトルと組成推定結果

  • 修正が必要な波形処理をゼロに抑えることができました

    MS/MSスペクトルとフラグメントイオンの構造式

アプリケーションニュース「Q-TOF型質量分析計LCMSTM-9030を用いた
地表水に含まれる有機フッ素系化合物(PFAS)のスクリーニング分析」はこちらからダウンロードいただけます。

ダウンロード

関連装置

高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-9030

高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-9030

シンプルな操作だけで容易に、精度、感度、分解能を兼ね備えた納得のデータが得られます。島津LCMSシリーズにLCMS-9030が加わり、島津LCMSの新たな挑戦が始まります。

高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-9050

高速液体クロマトグラフ質量分析計 LCMS-9050

島津のLCMSシリーズで培われた技術を継承し最高クラスの質量精度を実現したQ-TOF型質量分析計です。世界トップクラスの安定した高速極性切替と島津が誇る多彩なオプションラインナップが様々なアプリケーションの創出を強力に後押しします。