粉博士のやさしい粉講座
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実践コース:測り方疑問解決編
比表面積/細孔分布測定装置
13 水銀圧入法とガス吸着法の比較
水銀圧入法とガス吸着法は、いずれも細孔分布を求める手法です。両者の大きな違いは測定できる細孔径の範囲です。したがって、測定対象の細孔範囲を推定することによって、いずれの手法がより適しているのか判断しなければなりません。また、測定範囲以外にも、測定時間や試料の制約など、異なる点がいくつかあります。下の表にその違いをまとめましたのでご参照ください。
 
 水銀圧入法とガス吸着法の比較
水銀圧入法とガス吸着法の比較
比較項目 水銀圧入法 ガス吸着法
細孔測定範囲 メソポア~マクロポア マイクロポア~メソポア
測定時間 短い 長い
測定済試料の再利用 不可 可能
測定・計算方法 仮定・パラメータが少ない。
PVカーブからの計算が簡単。
仮定・パラメータが多い。
等温線からの計算が複雑。
試料の制約 アマルガムを作るもの不可 特に無し
細孔分布以外に得られる物性 かさ密度、見かけ密度、気孔率 細孔表面積(円筒モデル)他 比表面積、吸着特性
注意点 空隙と細孔の区別、特殊な雰囲気、 安全性、細孔形状他 前処理条件、吸脱着の区別、各種パラメータの設定、マイクロポア解析法の選定他
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