SUPERSCAN™ SS-3000 - 特長
走査電子顕微鏡
SUPERSCAN SS-3000 検出器システム
SUPERSCAN SS-3000は試料チャンバー内に形態観察用の二次電子検出器(SE)と、組成観察用の反射電子検出器(R-BSE)の2つの検出器を備えています。また短いワーキングディスタンス(WD)での高解像度観察に最適なIn-Beam SE 検出器とIn-Beam LEBSE(低エネルギーBSE)検出器を電子カラム内に搭載しています。特にIn-Beam LE BSE 検出器は、試料表面の凹凸の影響を受けにくく、影となったり奥まった所の特徴を明確にする高コントラスト画像を提供します。これら計4種類の検出器を標準搭載しており、様々な観察像を組み合わせた解析が可能です。
Beam deceleration mode (BDM) for lower accelerating voltages
性能をさらに高めるためにビーム減速モード(BDM)を搭載しています。BDMモードは試料ステージに負の電荷を掛けて電子ビームのエネルギーを下げることで、試料のチャージアップを低減し、低加速電圧でより鮮明な高解像度の画像が得られます。また、試料から発生した二次電子を吸い上げる効果もあり、In-Beam LE BSE検出器の二次電子の検出効率が向上するため、より高感度な観察が可能になります。
Enhanced Real–time Observation
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Wide Field Optics™テクノロジーにより、広域倍率2倍で50 mm以上の視野をリアルタイムにSEM観察できます。従来の走査電子顕微鏡は広域倍率が10倍から20倍で、視野は5 mm~10 mmに限られます。そのため、試料全体のどの場所を観察しているのか把握が難しくなります。SS-3000はリアルタイムで試料ステージ全体を観察でき、SEM画像で違和感なく高解像度までスムーズに視野倍率の切り替えが可能です。試料の傾斜観察にも対応し、操作性と実用性が向上します。中間レンズと走査コイルにより、非常に広い視野観察を実現。目的の領域を素早く見つけられます。
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Sensitive Low-Vacuum Imaging
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MultiVacテクノロジーは、1~700 Paの任意の低真空を実現し、ガス二次電子検出器(GSD)は、ガス分子のイオン増幅効果を利用して二次電子信号を効率よく増幅・検出します※)。導電性のない試料でも、チャージアップの影響が最も小さくなる圧力に設定して、SE像を高感度に観察することができます。特に、水蒸気雰囲気では、窒素雰囲気よりもさらに高感度に観察できるため、樹脂のようにビームダメージを受けやすい試料の観察に最適です。
※) SS-3000 GMU/LMU モデルのみ
3Dモデルを用いた衝突回避システム
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対象試料やオプションを含む搭載機器を3Dモデル化し、その位置関係をリアルタイムで計算・表示することで、衝突による破損事故を未然に防ぎます。オプションを含む様々な周辺機器に対応しており、多くの機器と組み合わせたシステム構築が可能です。安全にハードウェアの位置調整が行なえます。
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仮想モデルを用いてサンプルとステージの動きを様々な角度から確認することができます。
画像自動調整
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画像の自動調整は高速かつ高精度で行われます。In-Flight Beam Tracking™テクノロジーにより、ビームの軌道を正確に最適化して制御します。非点収差の自動補正機能はわずか4秒で完了し、高精細な画像を表示します。また、画像倍率変更において視野を変える際も、コントラストとブライトネスをリアルタイムで調整し、常に鮮明な画像を保ちます。
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