AIRsight™ - 特長
赤外ラマン顕微鏡
特長ある機能
サンプルを動かすことなくFTIR/Ramanの両測定が可能
サンプルを移動させることなく,極微小部の同一箇所における観察,赤外およびラマン測定が可能です。同一箇所の有機物情報と無機物情報が得られ,定性精度が大幅に向上します。また,観察用の広視野カメラ,赤外測定用の顕微カメラ,ラマン測定用の対物レンズは位置情報を共有しており,広視野カメラでは最大10×13 mm,顕微カメラでは最小30×40 μm,50倍対物レンズでは最小15×20 μm,100倍対物レンズでは最小7.5×10 μmという非常に狭い視野まで観察が可能です。
1つのソフトウェアでFTIR/Ramanの両測定および解析が可能
クリック1つで赤外測定とラマン測定を簡単に切り替えられます。また,赤外スペクトルとラマンスペクトルを重ね合わせて表示でき,様々な解析も行えます。
1台で有機/無機の情報取得が可能
赤外顕微鏡は有機物分析が可能ですが,多くの無機物の情報を取得することが困難です。一方,ラマン顕微鏡では有機物に加え,酸化チタンやカーボンなど無機物の情報を得ることが可能です。 AIRsight 1台で有機・無機混合物の解析を可能にします。また,通常必要となる2台分の設置スペースが1台分のみとなるため,省スペース化にも貢献します。
ラマン測定に関するAIRsightの特長
共焦点光学系を採用
良好な空間分解能でラマン測定が可能
532 nm,785 nmレーザーを標準搭載
レーザー特性
532 nm:散乱しやすく、ピーク強度が得やすい
785 nm:蛍光の影響を受けにくく、蛍光サンプルに強い
50倍対物レンズ,100倍対物レンズを搭載可能(両方も可)
測定対象の大きさによって使い分けが可能
赤外測定/ラマン測定のレンズ切り替え時にXYZ補正あり
同一箇所の赤外およびラマン測定が可能
測長機能
AMsolutionでは測長機能が新たに追加されました。赤外ラマン顕微鏡で取得した画像上で対象物の測長が可能です。
また,ボタン一つで測長結果をレポートとして出力できます。
深さ測定
深さ方向(Z 方向)への分析が可能。
ラマンでは,深さ(ポイント)測定と深さ(ライン)測定※1ができます。透明な樹脂やガラスなど,レーザー光が侵入可能な成分,厚さ(深さ)のサンプルであれば,内部の測定が可能です。試料が着色していたり曇っていても,内部観察ができれば概ね測定可能です。
※1 深さ(ライン)測定をするためには,別途マッピングプログラム(P/N 206-35093-41)が必要です。
AMsolutionソフトウェア
AMsolutionは,測定ソフト(AMsolution measurement)と解析ソフト(AMsolution analysis)から構成されています。測定ソフトでは,同一画面上で赤外およびラマンの制御が可能で,画像取得から赤外・ラマンの同一箇所測定までスムーズに行えます。解析ソフトでは,赤外およびラマンスペクトルの重ね描きや検索,ライブラリ作成等が行えます。
赤外モードで測定したデータはLabSolutions IRへインポートしてLabSolutions IRでの解析が可能です※2。
赤外顕微鏡用ソフトウェアAIMsolutionで測定したデータは,AIRsight用ソフトウェアAMsolutionでの解析が可能です。
※2 LabSolutions IR V er.2.31以降との組み合わせのみ
装置バリデーション
AMsolutionの測定プログラムは,島津赤外ラマン顕微鏡の性能を検査・確認するための「バリデーションプログラム」を標準装備しています。赤外モードのバリデーションは,日本薬局方,アメリカ薬局方,ヨーロッパ薬局方,中国薬局方に準拠しており,ポリスチレンフィルムを使用して行います。ラマンモードについては,日本薬局方,アメリカ薬局方,ヨーロッパ薬局方の波数精度の検査をポリスチレンペレットを使用して行います。分析者自身で装置の基本性能を点検し,信頼性の高いデータを得ることができます。
赤外モードの検査項目
・パワースペクトルの形状と大きさ
・ポリスチレンフィルムのスペクトルによる
- 分解
- 透過率(吸光度)再現性
- 波数精度
- ピーク分離機能
- 波数再現性
注:・波数再現性は日本薬局方のみの検査項目です。
・ピーク分離機能は中国薬局方のみの検査項目です。
・アメリカ薬局方の検査項目は波数精度のみです。
ラマンモードの検査項目
・ポリスチレンペレットのスペクトルによる
- 波数精度
ライブラリ作成機能
AMsolutionの解析プログラムは,ライブラリ作成機能を標準装備しています。分析者が取得した赤外スペクトルおよびラマンスペクトルを登録し,オリジナルライブラリを作成することができます。作成したライブラリは検索に使用できます。製品で使われる素材や,製造工程で扱われる物質を登録し,ライブラリとして利用することで検索精度が向上します。
総数約12,000スペクトルの赤外測定用ライブラリ
島津独自のライブラリから,一般試薬や高分子まで,豊富なライブラリを標準装備。
新たにライブラリを購入しなくても,標準のシステムで,充分な定性分析ができます。
(食品添加物公定法掲載物質)
など 総数 約12,000スペクトル
John Wiley & Sons, Inc. 製ラマンスペクトルライブラリを追加することが可能です。モノマー,ポリマー,無機化合物,生化学関連,法化学関連など広範な化合物のスペクトルが収録されたライブラリが用意されています。
データベース例
製品名 | データベースコード | スペクトル数 | |
---|---|---|---|
規制薬物1~2 | Sadtler Controlled & Prescription Drugs 1-2 | RZ, RZ2 | 1,850 |
香料 | Sadtler Flavors & Fragrances | FFR | 600 |
無機化合物 | Sadtler Inorganics | RI | 1,630 |
ポリマー&モノマー (ベーシック) 1 | Sadtler Polymers & Monomers (Basic) 1 | QR | 1,680 |
ポリマープロセッシング | Sadtler Polymers & Processing Chemicals | RA | 495 |
スタンダード1~6 | Sadtler Standards 1-6 | RST1, RST2, RST3, RST4, RST5, RST6 |
6,000 |
ラマンスペクトルデータベース (年間サブスクリプション) |
KnowItAll Raman Spectral Library (Annual Subscription) |
- | 25,000 |
KnowItAll バンドル
異物自動認識システム
異物を自動認識する機能が標準搭載。分析者はボタン1つクリックするだけで,ソフトウェアが異物を自動認識。赤外モードの場合は,標準タイプと極微小部に特化したミクロタイプの2種類がありますので,目的にあったタイプをお選びください。自動決定した位置をそのまま測定することも,分析者が測定位置を追加/削除することもできます。測定したスペクトルにはサンプルの画像が自動で保存されます。後でサンプルや測定位置を簡単に確認することができます。