
IRTracer-100
フーリエ変換赤外分光光度計用データシステム
試料を一定の時間間隔で継続して測定し,スペクトル全体の形状の変化や,特定のピークの大きさの変化を示すタイムコースグラフを表示し,試料の反応追跡,時間変化などを測定するプログラムです。ピーク高さや面積の他に,それらからさらに計算された値,定量値から変化を追跡することができます。測定終了後,データは3次元データとして保存され,俯瞰図または等高線表示できます。また,パラメータを変更してタイムコースグラフを再計算できます。
測定間隔は,分解,積算回数,ミラー速度によって変わりますが,8 cm-1,1回積算,ミラー速度9 mm/秒の条件では最短で7秒です。
タイムコース測定プログラムには,3次元処理プログラムを含みます。
赤外顕微鏡 AIMsight/赤外ラマン顕微鏡 AIRsightと組み合わせて,試料の表面の吸収分布をマッピングします。
合成された可視画像上でマッピングする範囲,測定間隔,バックグラウンド位置などのマッピングパラメータを設定することが可能です。エリアマッピング,ラインマッピング,ランダムマッピングができます。
また,一般的な透過・反射モードでのマッピングのほかに顕微ATRマッピング測定も可能です(ATR対物鏡はオプション)。
得られたマッピングデータからスペクトルの抽出,特定のピークによる官能基マップの計算などができ,データは3次元,等高線,スペクトルの重ね描きで表示することができます。
※ マッピング測定プログラムは,3次元処理プログラムを含みます。
PLS(Partial Least Squares)定量法はケモメトリックスの1つの手法で,重回帰分析法と同様に多成分同時定量法として広く使われています。PLS定量プログラムには,PLS l,PLS II法が用意されています。入力値対算値,PRESS値対PLS因子,ローディングベクトル,スコアー値などの表示が可能で,PLS法で求めた回帰式に対する解析が行えます。
通常赤外スペクトルの吸収帯は幾つかのピークが重なり合って構成されています。波形分離プログラムを用いることにより,吸収帯を個別のピークに分離することが可能ですので,水素結合を受けたピークの分離や吸収帯に隠れている官能基のピークの確認などが行えます。
分離に用いる波形として,Gaussian,Lorentzianなど6種類が用意されており,吸収帯のピーク形状に応じて適切な波形の選択が可能です。分離された個別のピークと同時にそれらを合成したスペクトルが表示されますので,波形分離の精度が確認できます。
3次元処理プログラムには,以下の機能があります。
■データの表示方法の変更
■3次元データのデータ処理
■スペクトルから3次元データの作成
※ 3次元処理プログラムでは,マッピング測定や赤外顕微鏡AIM-9000シリーズの制御はできません。
カスタマイズしたマクロプログラムを弊社が作成させていただきます(有料)。マクロプラットホームはカスタマイズしたマクロプログラムを動作させる際に必要となります。簡単マクロプログラム機能で実現できない手順やオートサンプルチェンジャーなどと組み合わせた自動測定システムなどの要望がありましたら,弊社担当者にお問い合わせください。