ISO178・JIS K7171 プラスチック-曲げ特性の求め方
ISO178・JIS K7171 プラスチック-曲げ特性の求め方
ISO 178:Plastics - Determination of flexural properties,JIS K7171:プラスチック-曲げ特性の求め方は,プラスチックなどの樹脂材料の機械的特性を取得するための,引張強度試験方法およびその計測装置精度など が規定されています。
樹脂材料(プラスチック)は,私達の日常生活の様々なモノに使用されていますが,その耐久性を保証しなければならない航空機や自動車などの輸送機の構造部材への採用が進み,金属材料と同様に耐久性を含めた機械的強度を評価することが重要となっています。
国内外に向けたビジネスを展開するにあたって,様々な規格に対応した試験を実施するためには,その規格の内容を理解すること,規格に準拠した試験システムによって試験方法を準拠することが求められます。
上記ISO・JIS規格は基本的には同様の内容となっておりますが,同種の規格であるASTM D790規格では独自の内容もありそれぞれの規格への対応の際には注意が必要です。
>”ASTM D790 プラスチック曲げ試験方法”についてはこちら
試験力精度:±1%が必要です。
ISO178およびJIS7171では,ISO 7500-1 Class1およびJIS B7721 Class1の試験力精度(表示試験力の±1%以内の精度)が要求されています。
AG-Xシリーズ,AGS-XシリーズおよびEZ Testシリーズは上記試験力精度に準拠しています。
AG-X シリーズ
High-performance High-Reliability
AGS-X シリーズ
Easy Operation
High-throughput
EZ Test シリーズ
Compact solutions
for Various Testing
弾性率領域を含め試験中のすべてのたわみの計測において”たわみ計”の使用をおすすめします。
ISO178およびJIS7171では,試験終了までの変位計測に, ISO9513のCLASS1(指示値の±1%)の精度が必須となります。
例えば,厚み4mmの試験片の曲げ弾性率測定には±3.4 μmの精度が必要です。
ISO178・JIS K7171対応たわみ計は,上記精度を保証し,かつ島津製作所試験機AG-Xシリーズ,AGS-Xシリーズ,EZ Testシリーズに簡単に取り付けることができ,制御ソフトウェアTRAPEZIUMXとも完全に連動した試験システムです。試験片下部からの押当て方式を採用しており,レーザー式の非接触タイプと比較して試験片の色に制限がありません。また,破断時のショックの吸収・飛散試験片の影響の回避など,試験を行うにあたっての様々な要求に対応しています。
ISO178およびJIS K7171へ準拠した試験をお考えの場合は,このたわみ計をご使用いただくことをおすすめします。
”剛性の高い試験機”を使用されることをおすすめします。
ISO178およびJIS K7171では注記にてクロスヘッド変位とコンプライアンス補正について記載されています。
クロスヘッド変位は,試験片のたわみだけでなく,圧子,支持台の試験片への食い込み,試験機自体の変形を含んだ値となっています。測定される全ての範囲の たわみ測定においてISO9513のCLASS1の精度を確保するためには,高精度のたわみ計を使用するか,もしくは代替手段としてコンプライアンス補正 を行うことが認められています。
コンプライアンス補正とは,試験力負荷時にクロスヘッド変位に含まれる試験機のたわみ(装置コンプライアンス)をキャンセルする補正機能です。コンプライアンス補正を行うためには,装置コンプライアンスを極力小さくすることによって補正誤差を減少させることができます。このためには,試験機自体の変形が少ない”剛性の高い試験機”を使用することが重要になります。
※コンプライアンス補正は,試験中に測定されるたわみ精度がISO9513のCLASS1であることを保証するものではありません。
※詳しくは弊社にお問い合わせください。
試験片形状に合わせた3点曲げ試験治具を使用してください。
ISO178およびJIS K7171では試験片厚さによって,3点曲げ試験治具の支点半径が規定されています。ポンチや支点の半径はASTM D790でも異なる値となっていますので,試験サンプルに最適な試験治具を選定ください。
寸法 | 推奨試験片 | 試験治具の規定 | |
試験片長さ, l | 80 | - | - |
試験片幅, b | 10 | - | - |
試験片厚さ, h | 4 | h > 3 | h ≦ 3 |
ポンチ半径, R1 | 5 | ||
支点半径, R2 | 5 | 2 | |
支点間距離, L | 16h |
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