IRTracer-100 NIRシステム
フーリエ変換近赤外分光光度計(FT-NIR)
IRTracer-100 NIRシステム は,近赤外から中赤外領域までの測定が可能なシステムです。
近赤外領域の測定には,CaF2(フッ化カルシウム)ビームスプリッタ・InGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)検出器・タングステン光源を使用します。 ビームスプリッタをCaF2ビームスプリッタに交換すると,システムはビームスプリッタの種類を判別し,自動的に適切な測定パラメータを設定します。
FT-NIR(近赤外)分析の特長
近赤外領域は,分子の振動に基づく吸収が現れるために,スペクトルパターンの比較によって物質の同定が行え,ピーク強度から定量が行えます。 また吸収強度は中赤外領域ほど強くないために,多くの試料は希釈無しにそのまま測定することができ,迅速分析が可能です。 IRTracer-100 NIRシステムは,フーリエ変換方式により波長精度の高いスペクトルが得られることから,パターン比較による同定に適します。 試料容器のビニールやガラスが薄ければ,容器越しの測定も行えます。
FT-NIR(近赤外)で行えるアプリケーションの例
原材料の受入時や製品の出荷前の確認試験,反応過程・混合過程のモニタリングなど,さまざまな分野でご活用頂けます。
[石油・燃料] | オクタン価,芳香族成分,オレフィン価 |
[食品・飲料] | 水分,たんぱく質,脂質量,糖分,アルコール量 |
[繊維] | 繊維の種類,水分,油量 |
[化学・高分子] | ポリマー重合度,モノマー残留量,水酸基量,ブレンド配合比,水分量 |
[薬品] | 主成分,添加剤,水分量,原料受入試験 |
[パルプ・紙] | 表面コーティング,水分量 |
近赤外(NIR=Near InfraRed)分析 について
可視光領域の長波長端から中赤外領域までの間を近赤外領域といいます。 波長で表わすと 通常800nm~2500nm(12,500~4000cm-1)の間です。 近赤外領域で現れる吸収は,分子の基準振動に基づく吸収が現れる中赤外領域と同様に分子の振動に基づくもので,基準振動の倍音や結合音によるものです。 中赤外領域で得られるスペクトルは赤外スペクトルと呼ばれ,有機物の官能基に関する情報を与えますが,近赤外領域で得られるスペクトルも有機物の官能基に関する情報を反映していますので,全体のスペクトルパターンの比較から物質の定性ができます。 またピーク強度から定量が行えます。
News / Events
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FTIR技術情報誌 FTIR TALK LETTER Vol.43を発行しました
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卓上X線CTシステム XSeeker 8000、赤外ラマン顕微鏡 AIRsightがグッドデザイン賞を受賞
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マイクロプラスチック自動前処理装置 MAP-100を発売
マイクロプラスチック自動前処理装置 MAP-100は、環境表層水の試料からマイクロプラスチックを抽出するための代表的な前処理法を自動化し、“省力化”、“再現性”、“安全性”を実現する自動前処理装置です。