安全性審査が未承認の遺伝子組換え食品の分析

 国内で輸入,流通等が禁止されている安全性審査が未承認の遺伝子組換え食品が海外で流通しているケースがあり,これらを対象とする定性検査(「遺伝子組換え食品の検査,分析について」表1)が実施されています。それぞれの検査法に準拠した陽性コントロールプラスミド,プライマーは市販されており,定性PCR法による食品中の組換え遺伝子の分析が可能です。

 2010年7月現在で安全性審査が未承認となっている3種の組換え遺伝子,とうもろこし(CBH351)1),パパイヤ(55-1)1),米(Bt)2)の分析例を示します。それぞれの陽性コントロールプラスミドを鋳型として,各検査法に記載されている検出用ならびに確認用プライマーでPCRを実施しました。得られたPCR産物をMultiNAで分析し,図1の分析結果を得ました。それぞれの標的遺伝子,プライマーに対応するPCR産物が確認できます。

MultiNA による組換え遺伝子とうもろこし(CBH351), パパイヤ(55-1), 米(Bt) の分析

図1 MultiNA による組換え遺伝子とうもろこし(CBH351), パパイヤ(55-1), 米(Bt) の分析

[参考資料]
1) 厚生労働省,「組換えDNA技術応用食品の検査方法」, http://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/kensa/kensa.html 
2) 食安監発0220002号, 平成19年2月20日


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DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動装置

マイクロチップを用いた電気泳動法により,DNAやRNAのサンプルを大きさによって分離し,DNAやRNAの核酸サンプルのサイズ(大きさ)確認やおおまかな定量を行います。マイクロチップを用いることによって電気泳動分離を高速に,蛍光検出により高感度に,しかも全自動で分析することができる電気泳動装置です。