食品中の異物は,食品製造過程でさまざまな要因で混入してきます。これを,発見・特定し,発生源を突き止めることは,安全性を確保する上でたいへん重要です。当社の所有する非破壊検査および分析のテクノロジーを利用すれば,外から見えない異物を見つけたり,異物が何であるかを解析することが可能となります。

FTIRによる有機異物の解析例

FTIRでは有機異物のスペクトルを測定し,ライブラリデータと比較することで異物の同定が行えます。ここでは,押し寿司(アナゴの押し寿司)の表面に付着していた繊維状異物の分析例を示します。押し寿司を製造する際にタレを塗りますが,この際に使用する刷毛のスペクトルと非常に類似していることが分かります。

1回反射ATR法による押し寿司に付着した異物の分析結果

1回反射ATR法による押し寿司に付着した異物の分析結果

EDXによる無機異物の解析例

EDX( 蛍光X線装置)では食品に付着または混入した無機異物の種類を,簡単に短時間で特定することができます。ここでは,冷凍ピザ表面に付着した異物の分析例を示します。

冷凍ピザ表面に付着した異物の分析結果

冷凍ピザ表面に付着した異物の分析結果

EDX・FTIRによる取得データの統合解析(解析ソフトウェア)

金属や無機化合物などの含有元素分析に優れたEDXと,有機物の同定・定性に優れたFTIRで取得したそれぞれのデータを統合的に解析し,同定結果および一致度を求める専用ソフトウェアです。1つの試料に対しEDXとFTIRで測定を行い,両方のデータを解析することで,高精度な同定解析が可能となります。