MUP-3100
糖鎖自動前処理装置MUP-3100を用いた培養上清中抗体のN-結合型糖鎖プロファイリング
ユーザーベネフィット
- 培養上清と専用試薬キットをセットするだけで、抗体の精製から糖鎖の切り出し、蛍光標識まで全自動で行えます。 - 作業者をルーチンワークから解放するだけでなく、夜間に自動で前処理することも可能です。 - バリデートされた手法をさらに自動化することでラボの生産性を高めます。
はじめに
抗体医薬品をはじめとするバイオ医薬品は、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて製造され、生体由来ペプチドやタンパク質などを有効成分とする医薬品です。バイオ医薬品は、近年、医療用医薬品や診断薬として多くの企業で研究開発が進められています。 抗体医薬品中の抗体は翻訳後修飾によって付加されるN-結合型糖鎖を有しており、医薬品の安全性・有効性に影響を与えると考えられているため、重要な品質特性に位置付けられています。また、製造に用いる細胞株や培養条件のわずかな変化によって糖鎖構造の不均一性が生じるため、抗体に付加している糖鎖は製造工程において厳しく管理されています。 糖鎖の特性解析は、構造上の特徴や安全性、有効性への影響を考慮し、目的に合った分析方法を選択することが重要です。 特性解析のひとつとして糖鎖プロファイル法があります。この方法は、酵素などを用いて抗体から遊離した糖鎖を蛍光標識したのち、HPLCやLC/MSなどによって分析する方法です。培養上清であれば抗体の精製も必要です。この抗体の精製、糖鎖の遊離、蛍光標識化には煩雑な操作が必要で、手技で行うと2日以上を要する場合があり、属人化の要因となっています。 本アプリケーションニュースでは、抗体糖鎖自動前処理装置MUP-3100を用いて、培養日数が異なるトラスツズマブ培養液上清を前処理し、HPLCにて抗体上のN-結合型糖鎖のプロファイル確認を行った事例を紹介します。
2024.10.29