ISO 24384に基づいたLC-ICP-MSによる クロムの形態別分析

ダウンロード

ユーザーベネフィット

- ISO 24384に基づき、Cr(Ⅲ)とCr(Ⅵ)を同時に測定することができます。 - 従来のCr(Ⅵ)の測定法よりも共存物からの妨害が少なく、簡便な前処理で分析することができます。 - LCのカラム出口の配管をICP-MSのネブライザーに取り付けるだけで簡単に装置の接続ができます。

はじめに

クロムにはCr(Ⅲ)とCr(Ⅵ)の二種類があり、Cr(Ⅵ)には強い毒性があります。従来、有害なCr(Ⅵ)を選択的に測定するためには、ジフェニルカルバジド吸光光度法を用いるか、鉄共沈法であらかじめCr(Ⅲ)を除去した後に元素分析装置で測定することが一般的でしたが、共存物からの妨害や煩雑な前処理操作が課題となっていました。 そのような問題に対して近年、LC-ICP-MSによるCrの形態別分析法が注目されており、2024年2月に排水、地表水、地下水、飲料水の分析に適用できる方法としてISO24384「Determinationofchromium(VI)andchromium(III)inwater」が発行されました。 本測定法はピリジンジカルボン酸(PDCA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いてCr(Ⅲ)のキレート化処理を行った後、LC-ICP-MSで分離定量を行います。この方法は妨害が少なく、簡便に測定でき、Cr(Ⅲ)とCr(Ⅵ)の同時定量が可能です。本アプリケーションではキレート剤として一般的なEDTAを使用し、Prominenceイナート分析システムとICPMS-2050を接続してCrの形態別分析を実施した結果を報告します。

2024.10.01

関連製品