接着剤の引張せん断接着強さにおける温度依存性の評価

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ユーザーベネフィット

- JISK 6850、JIS K 6831に準拠した接着剤の引張せん断接着強さの測定が可能です。 - 本稿で紹介する恒温槽を使用することで、-40℃~250℃までの温度環境下にて引張せん断接着強さを測定できます。 - AGX-V2は最高10kHzのサンプリングレートにより、温度環境下の脆性破壊における急激かつ微小な変化を詳細に測定することが可能です。

はじめに

接着剤は物と物をつなぎ合わせることで古くから様々な用途で用いられてきました。近年では、自動車業界での需要が増加しています。これまで、車載部品は金属材料が用いられており、その接合方法は溶接やボルト接合が主流でしたが、金属の代替として強化樹脂などの軽量素材を用いた車載品の増加に伴い、異種材料同士の接合に適した接着剤の使用機会が増えてきました。更に、接着剤を用いた部材の接合は、面接合による接合部の応力分散・剛性の向上や接合面の研磨工程の短縮など、従来の溶接やボルト接合にはない利点も期待されています。 車載用接着剤は極寒地の低温環境下における耐寒性や砂漠地帯の高温環境下における耐熱性の他、エンジンルームやブレーキ周辺の高温環境においても高い耐熱性が求められます。そのため、使用環境条件に適した接着剤の選定が必要です。本試験では精密万能試験機と恒温槽を使用し、接着剤の温度変化が及ぼす引張せん断接着強さの影響を評価しました。

2024.09.10