LCMS-9050
オンライン精製した農作物抽出液中残留農薬の精密質量による迅速スクリーニング分析
ユーザーベネフィット
- LCMS-9050を用いることで、1回の測定でポジティブ/ネガティブモードを切替えて分析できます。 - 取得した精密質量と保持時間情報を組み合わせることで、化合物の網羅的解析が可能です。 - RESTEK社のオンライン前処理カラムを組み合わせることにより、前処理精製の迅速化かつ簡便化が可能です。
はじめに
食品中に残留する農薬による人への健康被害を防止するため、厚生労働省によって農薬に関する残留基準が設定されています。残留基準は食品ごとに設定されており、ポジティブリスト制度によって一定量以上の農薬が残留する食品の販売輸入等が食品衛生法で禁止されています。近年、世界で使用・規制される農薬の種類は増加傾向にあります。 2003年に米国農務省から発表されたQuEChERS法は、AOAC (Association of Analytical Communities) や CEN(Committee of European Normalization) などの公定法に採用されており、特別な器具を必要とせず効率的に農薬を抽出することが可能ですが、作業者による再現性や作業に時間を要する点に課題があります。 本稿では、RESTEK社のRevive In-Line Sample Preparation(ILSP)カラムと四重極飛行時間型質量分析計LCMS-9050を組み合わせた網羅的測定の事例として、ほうれん草中の残留農薬を分析した例をご紹介します。Revive ILSPカラムを用いることでオンラインでマトリックス由来成分をクリーンアップできるため、前処理の迅速化と簡便化が可能です。また、前処理に関連する廃棄物と費用の削減が期待できます。
2023.04.12