熱分解(熱脱着)-GC-MSを用いた樹脂中のUV-328およびデクロランプラスの分析

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ユーザーベネフィット

- 熱分解(熱脱着)GC-MS法は有機溶媒を使用せず、簡便な操作で樹脂中のUV-328およびデクロランプラスを一斉にスクリーニング分析することが可能です。 - Scan/SIM 同時分析により、1回の測定で定性および定量分析が可能です。

はじめに

UV-328は紫外線吸収剤、デクロランプラス(以下DP)は塩素系難燃剤として用いられる添加剤です。UV-328は耐光性が求められる自動車塗装やコーティング剤、DPは難燃性と絶縁性が求められる電気ケーブルやワイヤー被膜などの様々な工業製品に使用されています。一方で残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約では、UV-328およびDPを環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念される化学物質と位置付けました。この為、該当物質を含有する製品や成形品の検査の必要性が高まっています。いずれの成分も溶媒抽出GC-MS法による精密定量分析が可能ですが、大量の有機溶媒、長時間の抽出作業、高い分析スキルが必要という課題があります。一方で熱分解(熱脱着)-GC-MS(Py/TD-GC-MS)法は国際規格IEC62321-8にも採用されており溶媒抽出が不要で樹脂試料を直接分析することが可能であるため、樹脂中の添加剤の分析に非常に有効です。本稿ではPy/TD-GC-MSを用いて樹脂中のUV-328およびDPの迅速、簡便なスクリーニング手法の検討を行いました。

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