UHPLCシステムにおける試料溶媒の影響を受けたピーク形状の改善

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ユーザーベネフィット

- UHPLCシステムにおいて試料溶媒の影響を受けてブロードになったピークの形状を改善することができます。 - 自動前処理機能の1つである「共注入」を用いることで、ピーク形状の改善が可能です。

はじめに

UHPLC(超高速液体クロマトグラフ)分析では、粒子径2µm前後の充填剤を使用したUHPLC用カラムを用いることで、高速・高分離を実現しています。UHPLC用カラムは、汎用的な HPLC(液体クロマトグラフ)用カラムに比べてカラム内径が細く、カラム内部での試料成分の拡散が小さくなります。しかしながら、ピークの形状はカラムを含めたシステム全体で起こる拡散の影響を受けるため、HPLCシステムで分析を行うと、カラム以外のシステム拡散による影響でUHPLC用カラムの性能を十分に発揮できなくなります。そのため、UHPLC分析には低拡散システムが求められ、試料が通過する箇所については内径0.1 mm前後の配管が採用されています。 一方、配管内径が小さくなるほど、試料と移動相がカラムに到達するまでの配管内で混合されにくくなります。そのため、試料溶媒が移動相よりも溶出力の強い溶媒の場合、試料成分そのものの保持が試料溶媒の溶出力の影響を受け、試料バンドが広がってしまい、結果としてピークがブロードになることがあります。 以下①、②の場合に、この現象が見られることがあります。  ① UHPLCシステムでHPLC条件の分析を行ったとき。  ② 移動相と試料溶媒の溶出力の差が大きく、かつ注入量が多いとき。 本稿では上記①、②の場合でピークがブロードになったときに、Nexeraシリーズのオートサンプラー搭載の自動前処理機能「共注入」を用いてピーク形状を改善した事例をご紹介します。

2022.02.26

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