Nexera™シリーズ
ELSD-LT IIIを用いた清涼飲料水中の単糖・二糖高速分析
はじめに
糖類の構造は主要な官能基がヒドロキシ基のみであるため、紫外可視吸光が 190 nm から 195 nm の非常に狭い短波長域のみでしか得られず、検出には示差屈折率検出器(RID)を使うことが一般的です。しかし、グラジエント溶離法では屈折率が変化するため RID を用いることができません。そのため、RID は保持時間が大きく異なる成分同士の分離には適さず、一斉分析には時間がかかります。 蒸発光散乱検出器(ELSD)は移動相を噴霧、蒸発させ、微粒子化した目的成分の散乱光を測定する汎用性の高い検出器です。グラジエント溶離を適用することができるため、分析時間の短縮や多成分の分離が可能です。 単糖類、二糖類の相互分離には陰イオン交換クロマトグラフィーや配位子交換クロマトグラフィーが優れた選択性を示します。しかし、これらの分離手法を用いる糖分析には時間がかかります。そこで本稿では、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)で分離後、検出器としてELSD を用いた単糖・二糖の高速分析を行いました。本稿で用いた ELSD-LT III に新しく搭載された Wide 機能により、感度に関するパラメータが自動的に最適化され、低濃度から高濃度まで試料濃度に関わらず同じメソッドでデータを採取することが可能になりました。本機能の詳細についてはアプリケーションニュース L571 をご覧ください。 ここでは ELSD-LT III を用いた清涼飲料水中の単糖・二糖の高速分析例をご紹介します。
2020.09.29
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