ギ酸分析の高感度化,再現性向上のために -人工光合成分野や化学原料不純物分析への適用-

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はじめに

人工光合成の研究,化学製品や原料の不純物分析において,ギ酸の高感度分析が望まれています。 ガスクロマトグラフ(GC)でギ酸を分析する際には,検出器には一般的に TCD,もしくはメタナイザー+ FIDが用いられます。TCDは感度が低いため主に高濃度試料の分析に用いられ,メタナイザー+ FIDは低濃度試料の分析に用いられます。FIDはギ酸に感度がありませんが,メタナイザーでギ酸をメタンに還元することで,FIDでの検出が可能になります。 メタナイザーは便利なツールですが,試料中に酸素が100 ppm 以上含まれると触媒が失活する,二酸化炭素雰囲気の試料などで二酸化炭素が多量に入ると触媒が失活する,多量の水が入ると復帰に時間を要するなどの欠点があり,酸素や二酸化炭素除去のバルブシステムを用いるなど,分析上の配慮が必要です。一方,バリア放電イオン化検出器(BID)は,ギ酸を ppm オーダーで検出することができる検出器で,酸素等の共存成分がカラムで分離できれば高感度測定が可能です。 本アプリケーションニュースでは,GC-BIDを用いた各種有機溶媒中に含まれるギ酸の高感度分析例をご紹介します。

2018.10.17